空き家リノベーションの補助金一覧｜国・自治体の制度や成功事例も紹介

「空き家のリノベーションで補助金が使えるの？」

「各自治体にはどんな補助金があるの？」

「補助金の探し方や申請方法はどうすればいいの？」

空き家のリノベーションを考えているものの、高額な費用が気になる方も多いのではないでしょうか。

本記事では、空き家リノベーションに活用できる補助金の種類やメリット・デメリット、申請方法などを詳しく解説します。

補助金をうまく活用して、空き家を有効に活用できるように再生させたい方は、ぜひ最後までご覧ください。

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空き家をリノベーションする目的

空き家をリノベーションする目的は、主に「活用の幅を広げること」と「資産価値を高めること」です。

長年放置された住宅は住みにくいのが実情だからです。

たとえば、相続した空き家となっている実家をリノベーションすることで、自分たちの住まいとして再生したり、賃貸物件として運用し収益を得たりすることもできます。

さらに、古民家をおしゃれなカフェやアトリエへと生まれ変わらせるなど、地域の魅力を活かす使い方も注目されています。

ただし、空き家のリノベーションは費用面で負担が伴うため、目的を明確にしたうえで、どの程度の改修が必要かを見極めることが大切です。

空き家リノベーションの費用相場

空き家リノベーションにかかる費用の相場は、以下の通りです。

• 部分的なリノベーションの場合
• 総合的なリノベーションの場合

それでは、詳しく解説していきます。

部分的なリノベーションの場合

空き家のリノベーションをする際に、比較的費用を抑えられる方法が「部分的なリノベーション」です。

たとえば壁紙や床材の張り替え、水回り設備の交換など、建物の一部のみを改修するケースがこれに当たります。

以下は代表的な工事とその費用目安です。

さらに、空き家リノベーションの目的が賃貸や売却の場合は、以下のポイントを優先すると良いでしょう。

• 壁紙や床の交換で第一印象を改善
• 水回り設備は最新のものに入れ替えると機能性アップ
• 雨漏りや床の損傷など、大きな劣化箇所は事前にチェック

空き家リノベーションの費用を抑えたい方は、数十万円～500万円程度で実施できる「部分リノベーション」がおすすめです。

総合的なリノベーションの場合

空き家を一から再生するような「総合的なリノベーション」は、建物全体を見直す大規模な工事となります。

内装の一新だけでなく、外壁や屋根の補修、耐震性の強化なども含まれることが多く、一戸建てでは500万〜2,000万円、マンションでも250万〜1,000万円が費用の目安です。

総合的なリノベーションの費用目安は、以下の通りです。

総合的なリノベーションは費用が大きくなりやすいため、事前の見積もり確認と資金計画が重要です。

総合的なリノベーションの施工実績が豊富な専門業者と相談しながら進めましょう。

関連記事：空き家リノベーションにかかる費用について解説した記事はこちら

空き家のリノベーションに補助金を活用する3つのメリット

空き家のリノベーションに補助金を活用するメリットは、以下の3つです。

• 費用負担の軽減
• 資産価値の向上
• 地域活性化への貢献

それぞれのメリットを詳しく解説します。

費用負担の軽減

空き家所有者が、リノベーションを実施する際に気になるのが大きな費用が必要なことではないでしょうか。そこで忘れずに確認していただきたいのが「補助金制度」です。

補助金制度を活用すれば、リノベーション工事費用の一部が補助され、自己負担額が減少できたり、初期費用を抑えられたりします。

また、補助金を活用すると、資金的な理由でリノベーションを実施するか悩んでいた所有者も、実行に移しやすくなるでしょう。

関連記事：空き家のリノベーションについて解説した記事はこちら

資産価値の向上

補助金を活用したリノベーションは、単なる改修にとどまらず、物件の資産価値を向上させられる可能性があります。

最新の設備や高品質な材料を使用して改修を進めれば、物件の魅力は上がり、需要の増加が期待できるでしょう。

また、省エネ性能や耐震性を向上させる改修が行われる場合、物件の長期的な価値も増加します。

例えば、エコで省エネルギーな設備を導入すると、ランニングコストの削減につなげられるため物件の評価が上がりやすいです。

さらに、耐震改修を行えば、建物の安全性を高めるとともに、将来的な修繕コストを削減できる可能性があります。

補助金を活用すると、物件の魅力と価値を上げ、今後の売却や賃貸で高い評価を得られるでしょう。

地域活性化への貢献

空き家のリノベーションは、物件の再生だけでなく、地域の活性化にも貢献します。

放置されていた空き家をリノベーションすることで、地域の景観が改善され、治安の向上にもつながります。

また、古民家などをリノベーションし宿泊施設にすると、観光客の呼び込みもできるため、地域経済の活性化にも貢献できるでしょう。

空き家の再生は、地域の治安改善や交流、経済活性化など地域貢献につながるのも魅力のひとつです。

空き家のリノベーションに補助金を活用するデメリット

補助金の活用は、メリットだけではなくデメリットも存在します。

特記すべきデメリットは、以下の5つです。

• 書類手続きに手間と時間がかかる
• 補助金には制約や条件があることがある
• 指定業者の利用や居住のルールがある
• 希望する工事内容に合う補助金があるとは限らない
• 予算の都合で減額や却下される可能性がある

まず、補助金の申請手続きには時間と労力がかかります。書類の提出や手続きが煩雑で、申請条件を満たすために詳細な確認が必要です。

特に古い物件に関しては、追加書類や証明書が必要な場合もあり、申請まで時間がかかる可能性も考慮しましょう。

また、補助金にはさまざまな制約や条件が付帯するケースもあります。

「指定業者を使用しなければならない」「一定期間の居住や利用が義務付けられる」など改修内容が制限される可能性も否定できません。

さらに、補助金が受けられる工事内容が限られているため、リノベーションの目的や計画に沿わないケースも考えられます。

他にも、予算の都合で補助金が減額されたり、申請が却下されるリスクも存在します。

以上のデメリットも考慮したうえで、空き家のリノベーションを実施するか検討しましょう。

空き家のリノベーションに活用できる代表的な補助金一覧

空き家のリノベーションで活用できる代表的な補助金は以下の2つです。

• 住宅確保要配慮者専用賃貸住宅改修事業（国土交通省）
• 空き家リノベーション事業補助（自治体による）

それぞれの補助金制度を詳しく解説します。

住宅確保要配慮者専用賃貸住宅改修事業（国土交通省）

住宅確保要配慮者専用賃貸住宅改修事業は、国土交通省が実施する補助金制度で、困窮している世帯に適切な住まいの提供を目的としています。

低所得者や高齢者、障害者、子育て世帯など、住宅の確保が困難な方を対象に空き家などをリノベーションし、住環境を整えるための支援を行っています。

補助金は以下の工事が対象です。

• バリアフリー改修
• 耐震改修
• 間取り変更
• 省エネ改修 etc…

補助金の支給額は、工事費用の1/3で上限50万円/戸ですが、地方自治体と連携した場合、補助率が2/3、上限100万円/戸まで支給されるケースもあります。

ただし、補助金を受けるためには、改修後の住宅を「要配慮者向け賃貸住宅の登録制度」に登録し、一定の条件を満たさなければなりません。

住宅確保要配慮者専用賃貸住宅改修事業を活用できれば、リノベーションで物件の価値をより高められたり、地域の住宅問題を解決したりなど、社会的貢献につなげられます。

空き家リノベーション事業補助（自治体による）

空き家リノベーション事業補助は、地域の空き家をリノベーションし、居住空間や地域の活性化を目指すために自治体が実施している補助金制度です。

補助金の内容や対象となる工事内容、補助額などは地域ごとで異なりますが、一般的には空き家を活用するための改修費用を一部補助する形です。

例えば、新婚世帯や子育て世帯が空き家を購入または賃借し、自らが住むために改修を行う際、改修工事費用の一部を自治体が補助するケースがあります。

北海道鷹栖町を例に出すと、補助金額は工事費用の2分の1以内（限度額30万円）で、キッチンや浴室、トイレ、内装、屋根や外壁のリノベーションなどの改修工事が対象です。

空き家リノベーション事業補助を活用できれば、空き家を新たな住居にできるので、地域の空き家問題の解消につなげられます。

各都道府県での空き家リノベーションの補助金や支援例

空き家リノベーションで利用できる補助金や支援の内容は、各都道府県によって異なります。

2025年4月現在に各都道府県で実施されている補助金や支援内容の一部を、以下に紹介します。

• 東京都
• 大阪府
• 兵庫県
• 京都府

上記以外の方は、お住まいの地域に空き家リノベーションの補助金制度が用意されていないかチェックしてみてください。

東京都

東京都では、各市区町村ごとに補助金などの制度が用意されています。以下に、代表的なものを抜粋して紹介します。

東京都では、改修費用以外にも「空き家の撤去費用」への補助金が用意されていたり、空き家のマッチング事業を推進していたりします。

空き家を有効活用したい方は、一度お住まいの地域情報をチェックしてみましょう。

参照：東京都公式ページ

大阪府

大阪市では、空き家の有効活用を促進するため、「空家利活用改修補助事業」を実施しています。

この制度は、住宅の性能向上や地域まちづくりに資する改修工事に対して、費用の一部を補助するものです。

補助の種類は、「住宅再生型」と「地域まちづくり活用型」の2種類です。

主な補助要件は、以下の通りです。

• 市内にある平成12年5月31日以前に建築された住宅（戸建てまたは長屋建）であること。
• 不動産市場に賃貸用または売却用として流通しておらず、3か月以上空き家であること。
• 改修により一定の耐震性能を確保すること、または既に耐震性能を有していること。
• 改修後の用途が住宅または地域まちづくりに資するものであること。
• 売却を前提としたものでないこと。

補助を受けるには、事前（契約・着手前）に手続きが必要となるため、大阪市の公式ウェブサイトをご確認ください。

参照：大阪市公式ページ

兵庫県

兵庫県では、空き家の有効活用を促進するため、以下のようなさまざまな補助金制度を設けています。

「空き家活用支援事業」は、空き家を住宅や事業所、地域交流拠点として活用する際の改修費用の一部を補助するものです。​

空き家活用支援事業の条件は以下の通りで、一般タイプの補助額は改修費用に応じて最大100万円まで支給されます。

• 築20年以上
• 空き家の期間が6か月以上
• 耐震性能を有している​
• 台所、浴室、便所の水回り設備のいずれかが10年以上更新されていない

上記の条件に当てはまる方は、補助金の申請を忘れずに行いましょう。

詳細な条件や申請方法については、兵庫県の公式ウェブサイトをご確認ください。

参照：兵庫県公式ページ

京都市

京都市では、空き家の流通・活用を促進するため、「京都市空き家等の活用・流通補助金」を設けています。

この制度は、特に昭和以前に建築された、流通しづらい老朽空き家の再活用を目的としています。

補助金は2つのメニューに分かれており、それぞれ以下のような内容です。

これらの補助を活用することで、売却や土地の再活用がしやすくなり、地域の空き家対策にもつながります。

詳しくは、京都市公式サイトや申請の手引をご確認ください。
参照：京都市公式ページ

空き家のリノベーション事例

空き家をリノベーションした事例を、以下に2つ紹介します。

1. 父から娘へそして孫へと続く・・・　空き家再生フルリノ
2. ２階建てを平屋へ　減築＋耐震＋断熱＝性能向上・買取再販フルリノ

事例の情報を参考にして、理想の空き家リノベーションを実現させましょう。

事例1：父から娘へそして孫へと続く・・・　空き家再生フルリノ

長年空き家となっていたご実家を、娘さんのUターン就職をきっかけにフルリノベーションした事例です。

放置していれば管理費や修繕費がかさむ一方だった空き家を、今ならまだ再生可能と判断し、家族の新たな暮らしの場として生まれ変わらせました。

今回のリノベーションは、日当たりや使い勝手を重視した大胆な間取り変更がポイントで、寒く暗かった北側にあったキッチンと居間を光がたっぷり入る南側へ移動。

さらに、2階にあった寝室を1階に配置し、平屋のような暮らしやすさを実現しました。

リノベーションによって再び家族の拠点となり世代を超えて受け継がれていくことは、空き家問題の解決と同時に家族の物語を未来へとつないでいく方法として有効です。

＞この事例を詳しく見る

この事例を担当したのは、あなぶき・きなりの家株式会社です。事例のような一戸建てのリノベーションを希望している方は、ぜひお気軽にあなぶき・きなりの家株式会社へご相談ください！

<<cta-original-01 text={あなぶき・きなりの家に相談する} link={https://furureno.jp/builder/16}>>

 事例2：２階建てを平屋へ　減築＋耐震＋断熱＝性能向上・買取再販フルリノ

築50年以上の木造2階建て住宅を、現代のニーズに合わせて大胆に再生したフルリノベーション事例です。

長年空き家となっていた古民家を専門業者が買取り、減築・耐震補強・断熱改修を一体で行うことで、機能性と美しさを両立させた住まいへと生まれ変わらせました。

2階部分を撤去して平屋へと減築したことで、構造の安定性が向上し、バリアフリーな暮らしも実現。

耐震補強によって地震への不安を軽減し、さらに断熱性能を高めることで快適性と省エネ性も大幅にアップしました。

内装には、古民家ならではの丸太梁や柱をあえて残し、和モダンの趣ある空間に仕上がっています。

空き家の活用方法として、減築リノベは今後も注目されていく手法となりそうです。

＞この事例を詳しく見る

この事例を担当したのは、あなぶき・きなりの家株式会社です。事例のような一戸建てのリノベーションを希望している方は、ぜひお気軽にあなぶき・きなりの家株式会社へご相談ください！

<<cta-original-01 text={あなぶき・きなりの家に相談する} link={https://furureno.jp/builder/16}>>

空き家のリノベーションに活用できる補助金の探し方3選

空き家のリノベーションに適した補助金を見つけるには、以下3つの方法が有効です。

• 自治体の公式ホームページを確認する
• 補助金情報ポータルサイトを活用する
• 不動産業者や空き家バンクに相談する

それぞれの補助金の探し方を詳しく解説します。

自治体の公式ホームページを確認する

空き家のリノベーションの補助金に関する情報は、自治体の公式ホームページで直接確認できます。

自治体は、自ら提供する補助金や助成金に関する詳細な情報を公開しており、必要な手続きや申請要件、締め切りなども明確に記載しています。

リノベーションしたい建物がある自治体の公式ホームページにアクセスし、サイト内の検索機能を使って補助金情報を探してみましょう。

特に「住宅政策課」や「空き家対策課」など、空き家や住宅に関連する部門のページを直接チェックすると、最新の補助金制度に関して情報を把握できます。

また、補助金制度は年度ごとに変更される可能性があるため、情報が更新されているかどうかを定期的に確認しておきましょう。

自治体の中には、補助金の募集が特定の期間に限定されているケースも多く、申請期間を逃さないように注意が必要です。

補助金情報ポータルサイトを活用する

空き家のリノベーションに活用できる補助金を効率よく探すためには、補助金情報ポータルサイトを活用するのもおすすめです。

ポータルサイトは、全国の補助金や助成金制度を一括で検索でき、地域や目的に応じた支援策を簡単に見つけられます。

補助金情報ポータルサイトには、地方自治体や国が提供する補助金情報が網羅されており、自分の条件に合った補助金を見逃すことなくチェック可能です。

また、定期的に情報が更新されるため、最新の補助金制度や申請期間に関する情報を入手できます。

新しい補助金制度が開始された際にも迅速に情報が反映されるため、こまめにポータルサイトをチェックすると、最新の支援策を把握できます。

不動産業者や空き家バンクに相談する

不動産業者や空き家バンクへの相談も、空き家リノベーションに関する補助金情報の入手に有効です。

地域の不動産業者は、その地域の特性や市場動向に精通しており、空き家活用のための補助金や支援策に関する情報も詳しく知っています。

特に、空き家の購入や賃貸に関する取り組みを行っている業者は、補助金情報を常に更新しているため、最新の支援策に関しても相談可能です。

空き家バンクは、自治体や地域の団体が運営しており、空き家の情報提供を行うと同時に、その活用方法や補助金制度に関する支援も行っています。

また、地域特有の補助金や助成金に関する情報を持っているため、リノベーションを行う際の最適な補助金を提案してくれます。

「自分で探したけどよくわからない」という方や、「人に相談したい」という方は、不動産業者や空き家バンクを活用するといいでしょう。

補助金を活用して適正価格で空き家をリノベーションするなら「フルリノ！」がおすすめ！

空き家のリノベーションを成功させるためには、補助金をうまく活用しつつ、魅力的で高品質な住宅に改修することが大切です。

補助金を最大限に活用してリノベーションを行えると、経済的負担を軽減しながら、物件の価値を向上させられるでしょう。

「フルリノ！」は、空き家のリノベーションに強みを持つ業者も在籍している専門リノベーション専門のポータルサイトであり、全国のリノベーション事例や優れた工務店を多数掲載しています。

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