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西海岸風キッチンは10か所で決まる|素材・設備・LDKの選び方

「キッチンを西海岸風にしたい」と思っても、白を増やせばいいのか、青や古材をどう足すのか、迷う方は多いはずです。

西海岸風キッチンは、ビーチハウスのように明るく開放的な系統と、カリフォルニア郊外のダイナーのように無骨な系統に分かれます。どちらを目指すかで、選ぶ素材も設備も変わってきます。

家具や雑貨を置くだけでは「らしさ」は出ません。天板や壁面、収納といった作り込む部分の選び方が、仕上がりを左右します。

本記事では、2つの系統の違いから、素材と設備の選び方、よくある失敗の避け方、リビングとの繋げ方、実例までを解説します。

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西海岸風キッチンは10か所の選択で決まる

西海岸風キッチンで決めることは、次の10か所に集約されます。

素材(3か所)

  • 天板
  • 壁面
  • 収納面材

設備(4か所)

  • シンク
  • 水栓
  • レンジフード
  • 照明

LDKとの繋がり(3か所)

  • カウンター
  • 床材
  • 建具

写真を何枚見ても選べないのは、この10か所のどれを指しているのかが写真からは読み取れないためです。逆に言えば、10か所それぞれで何を選ぶかが決まれば、仕上がりは頭の中で組み上がります。

10か所のうち、天板・壁面・収納の3か所は“系統を決める面”です。 この3つをどう選ぶかで、サーフ系かダイナー系かがほぼ確定します。

設備の4か所は、素材で決めた方向を裏打ちする役割を持ちます。LDKとの繋がり3か所は、キッチン単体の完成度ではなく、部屋全体の空気感を揃えるための選択になります。

西海岸風キッチンとは?基本スタイルと魅力

西海岸風キッチンは、カリフォルニアの海辺やダイナーを参考にしたラフで素材感のあるキッチンです。

白の羽目板で明るいビーチハウスを目指すスタイルと、ステンレスや躯体現しで無骨なダイナーを目指すスタイルがあります。

系統は違っても、使い込んだ素材の風合いと、住むほどに深まる経年変化を楽しむ点は共通します。

タイルや小物を後から足すより、天板や壁面から作り込むほうが、既製品らしい輪郭が消えて西海岸の空気に近づきます。

配色の黄金比や外観も含めた西海岸スタイルの全体像は、西海岸風の家とは|内装・外観の作り方とカリフォルニアスタイルの基本で解説しています。

西海岸風キッチンの2つの系統|ビーチハウス系とダイナー系

西海岸風キッチンは、明るく開放的なサーフ系と、無骨でラフなダイナー系の2系統に分かれます。

サーフ系は、白の羽目板・無垢オーク・淡い色のタイルで、海辺の別荘のような明るさを軸にします。

光をよく反射する白と、素足に気持ちいい無垢材が基本になります。海や空を思わせる淡いブルーのタイルを差すと、一気にビーチハウスの空気に近づきます。

対するダイナー系は、ステンレス・躯体現し・鉄管で、カリフォルニア郊外のダイナーのような無骨さを出します。

光沢を抑えたステンレスや、あえて配管を見せる天井が、飾らないラフさを作ります。

見た目は対照的でも、どちらも使い込んだ素材感を楽しむ点は変わりません。

明るく軽やかに振るならサーフ系、無骨に振るならダイナー系。自分がどちらの空気に惹かれるかが、最初の分かれ道になります。

対面カウンターが生む、人の集まるキッチン

対面カウンターは、料理する手元をリビング側に向けて配置する手法です。西海岸風キッチンでよく採用される配置で、家族や友人と顔を合わせながら過ごす動線を作ります。

ペニンシュラ型は片側が壁につくため、マンションの限られた間口でも収まりやすい配置です。

アイランド型は四方が開けて人が回遊できる一方、本体の周りに通路をぐるりと確保する必要があり、ある程度の広さが要ります。

スツールを置いて座れるようにするなら、天板を手前に少し張り出させると膝が入ります。

座る人の後ろを通れる通路さえ残しておけば、もてなす側も席を立たずにいられる。朝のコーヒーから夜のホームパーティまで、一台のカウンターが役割を変えていきます。

住むほど味が深まる、素材とグリーンの経年変化

西海岸風キッチンの素材は、時間とともに表情が深まるものを選ぶのが基本です。新品の状態を保つのではなく、使い込んだ風合いそのものを仕上げとして扱うスタイルだからです。

無垢オークは使うほど飴色に深まり、真鍮の取っ手や水栓はくすんで落ち着いた光り方に変わります。傷や色の移ろいが、そのまま味になる素材です。

一方で、化粧シートや塗装した板は経年では味が出ず、剥がれや色あせが「劣化」に見えてしまいます。

経年変化を楽しみたいなら、表面材ではなく素材そのもので選ぶのが分かれ目です。

ヤシやアガベなどのグリーンは乾燥に強く、日当たりのいいキッチンと相性のいい植物です。育つにつれて空間の主役になり、住むほどにキッチンの表情を変えていきます。

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西海岸風キッチンの素材|天板・壁面・収納の選び方

マンションリノベーション後のLDK。中央に白い天板のバーカウンターがあり、水色の金属製スツールが2脚配置されている。キッチンの腰壁と右奥のガラス入りドアは水色。左側の壁面と天井には古木調のパネルが施工され、カウンター上部の黒いダクトレールから裸電球のペンダントライトが吊るされている。My Design/株式会社Izumidaのリノベーション事例。

西海岸風キッチンの印象は、天板・壁面・収納面材の3つでほぼ決まります。

いずれもリノベでしか変えられない構造的な部分です。サーフ系かダイナー系か、目指す方向によって、それぞれの素材の組み合わせ方が変わります。

カウンター天板|古材・モルタル・タイル・ステンレスの使い分け

西海岸風キッチンの天板には、古材・モルタル・タイル・ステンレスがよく使われます。

古材はラフな木の質感でサーフ系の王道、モルタルは継ぎ目のない無骨さでどちらの系統にも馴染みます。

タイルは白いサブウェイや淡いブルーでビーチハウスの明るさを足せて、ステンレスは業務用の質感でダイナー系の主役になります。

水や熱への強さも素材で差が出ます。実用を優先するならステンレスやタイル、質感の変化を楽しむなら古材、と暮らし方で軸を決めると迷いません。

壁面|サブウェイタイル・ホワイトレンガ・躯体現しの選択肢

コンロ前やカウンター背面の壁は、目に入る面積が大きく、素材の選び方で空間の印象が決まります。

白に黒目地のサブウェイタイルはサンタモニカのカフェの空気を、ホワイトレンガ柄はビーチハウス感を作ります。躯体現しに鉄管を走らせれば、ダイナー寄りに振れます。

ただし全面を作り込むと空間が重く沈みます。1面だけアクセントにして、残りは白い壁で抜くと収まりがよくなります。

収納面材|白の框扉・古材の引き戸・オープン棚

収納を見せるか隠すかで、同じ素材でも生活感の出方が変わります。

白の框扉は彫りの陰影でビーチハウス系を端正にまとめ、古材の引き戸はサーフ・ダイナーどちらのラフさにも馴染みます。

ガラスジャーや器を並べるオープン棚は、西海岸らしい見せる収納の定番です。

オープン棚は生活感も出やすいのが弱点になります。よく使う器だけを見せ、日用品は扉付きに隠すと、ラフさと整理が両立します。

西海岸風キッチンの設備|シンク・レンジフード・照明

設備は、シンク・水栓・レンジフード・照明の4つで西海岸らしさを左右します。

素材で系統の土台を作っても、設備が量販店仕様のままだと印象がぼやけます。既製品の中から質感の合うものを選び、素材で決めた方向を裏打ちする発想で選びます。

シンクと水栓|ステンレス・真鍮・ブラックの使い分け

シンクと水栓は、素材の組み合わせで系統の方向が決まる設備です。

ステンレスシンクは、底が深く大きい業務用タイプを選ぶと、ダイナー系の無骨さが際立ちます。

水栓は、真鍮なら使うほどくすむヴィンテージ感、マットブラックならインダストリアル感が加わります。

首の高いグースネック型は、大鍋も洗いやすく、カリフォルニアの家らしい存在感も足せます。シンクと水栓の素材を揃えると端正に、あえて外すとこなれた印象に振れます。

レンジフード|むき出し配管とインダストリアル要素

西海岸風キッチンのレンジフードは、ステンレスや黒の箱型が定番です。

白い埋め込み型は量販店仕様の印象になるため、フード本体を見せる箱型を選ぶと空間に馴染みます。天井を躯体現しにして配管やダクトを見せれば、ダイナー感は一段と強まります。

フードの位置を動かす工事は、排気経路や管理規約に関わります。マンションでは、希望の場所に付けられるかを計画の前段で確かめておきます。

照明|ガラス×スチールのペンダント

カウンター上の照明には、ガラス×スチールの黒系ペンダントがよく合います。

ガラスシェードは光をやわらかく通し、スチールの黒が空間を引き締めます。

色温度は電球色の2700K前後を選ぶと、夕方のカリフォルニアのようなオレンジがかった光がカウンターに落ちます。

2〜3灯を横並びに吊ると、ダイナーのカウンター席のような一定のリズムが生まれます。照明は電球色を選び、白色蛍光灯の寒色系はラフでリラックスした空気を壊すため避けましょう。

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西海岸風キッチンで失敗しないための注意点

西海岸風キッチンの失敗する原因は、素材の盛りすぎ・系統の混在・既製品での代用・DIY領域の超過の4つです。

西海岸らしさは、足し算ではなく引き算と系統の統一で決まります。これらのリスクを設計段階で潰せるかが、リノベ会社選びの判断材料になります。

ステンレスと木材のバランスが崩れるパターン

西海岸風キッチンらしさは、ステンレスと木材の配分で決まります。

ステンレスを多用しすぎると、業務用厨房のように冷たくなり、暮らしの温度が消えてしまいます。逆に木材が多すぎれば、西海岸というよりただのナチュラルテイストに寄ってしまうでしょう。

主役の素材を先に決め、もう一方は脇に回してください。ステンレス3:木材7、もしくはその逆の7:3を目安にすると、どちらの系統でも軸がぶれません。

配分は面積で数えます。天板・壁面・収納面材・レンジフードのうち、どれをステンレス側に割り当てるかを先に決めておけば、後から個別に選ぶときの基準になります。

素材を盛りすぎてダイナー風に振りすぎる

素材の判断は、1か所ずつではなく空間の合計で行います。

天板をモルタル、壁面を躯体現し、収納面材を古材、レンジフードをステンレスと選べば、1つずつは正しくても、揃った空間は暗く重く沈んでしまいます。

それぞれが単独では成立しているため、図面や見本の段階では気づけません。

効かせる素材は2つまでと決め、残りは白の羽目板や無垢材で余白を作りましょう。どの2つを効かせるかは、先に決めた系統が答えになります。

迷うときは、キッチン単体ではなく隣り合うリビングの素材量も合わせて眺めてみてください。

LDKが繋がった間取りでは、キッチンだけが濃くなると部屋全体のバランスが崩れます。空間全体で素材の総量を配分できていれば、一部屋だけ濃くなる事態は起きません。

既製品キッチンに無理矢理西海岸要素を足す失敗

キッチン本体を交換しない場合、世界観を作れる範囲は本体の外側に限られます。

既製品のシステムキッチンには、四角い輪郭と統一された面材という特徴があり、ここにタイルや小物を足しても、輪郭そのものは残るため、西海岸らしいラフさは出ません。

本体に手を加えるほど、既製品の形が逆に目立ってしまいます。

既製品を活かすなら、扉面材を木目に替える程度に留め、壁・照明・小物など周辺で世界観を作りましょう。

本体の存在感を抑えるほど、空間のほうが主役になります。

本体から作り込みたいなら、造作キッチンや業務用ベースのステンレスキッチンが選択肢に入ります。どこまで世界観を求めるかで、既製品で足りるかどうかが決まります。

DIYで補えるラインとリノベが必要なラインの見極め

DIYで触れられるのは、表層の仕上げまでです。剥がせる壁紙やタイルシール、小物や植物の入れ替えなら、自分の手で雰囲気を変えられます。

一方、西海岸風キッチンの印象を決める天板・壁面・収納面材・設備は、構造や配管・電気が絡むためDIYでは扱えません。

ここを自分で触ると、素材の選択肢が狭まったり、後の工事でやり直しが必要になるケースがあります。

特に注意したいのは、DIYで手を加えた箇所があると、リノベ会社によっては施工を断られたり、保証の対象外になることです。

既存の状態が把握できないと、配管や下地の安全性を担保できないためです。

西海岸風キッチンをしっかり作りたい場合は、どこまで自分で触れるかを早い段階で線引きしておくほうが安全です。

本格的に作り替える予定があるなら、DIYで作り込む前に一度相談しておくと、後の選択肢を残せます。

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西海岸風キッチンとリビングの繋げ方

マンションリノベーション後。白を基調としたLDK。手前にブルーストライプの木製フレームソファ、左手に白いハンモックと壁掛けのサーフボードを配置。奥には木目パネルの対面キッチンと黒枠の室内窓がある。My Design/株式会社Izumidaのリノベーション事例。

西海岸風キッチンは単体では完結せず、LDK全体の空気感の一部として設計します。

カウンター・床材・建具の3つで、リビングとの連続性を作ります。キッチンとリビングの境界をどう処理するかで、開放感が変わります。

LDK一体化やリビング側の作り方は、西海岸風リビングの作り方完全ガイドで詳しく解説しています。

カウンター越しの視線設計

対面カウンターは、料理する手元からリビングへ視線が抜ける配置が基本です。

カウンターを立ち上げて手元を隠すか、天板をフラットに繋げて開放感を優先するかで、リビングとの距離感が変わります。

来客の多い家なら手元を隠す立ち上げ、家族中心なら見通しのよいフラット、と暮らし方で選びます。

ペニンシュラ型やアイランド型は、壁で仕切らないぶんLDK一体型と相性のいい配置です。キッチンを部屋の中心に据える感覚が、カリフォルニアの家らしさを作ります。

床材の連続性で空気感を統一

キッチンとリビングの床材を統一すると、視線が奥まで通り、LDK全体が広く感じられます。

無垢オークや古材フローリングをLDK全体にひと続きで敷くのが王道です。境目で材を切り替えないことで、キッチンがリビングの延長として馴染みます。

ただしキッチンの床は、水はねや油汚れに晒されます。そのため、水回り対応のフローリングや、表面を強化した材を選ぶのが現実的な判断になります。

室内窓・腰壁による緩いゾーニング

室内窓や腰壁は、壁で完全に仕切らずにキッチンとリビングを緩く区切るための部材です。

黒縁の室内窓は、光と視線を通しながら、インダストリアルなアクセントとして効きます。ナチュラルなサーフ系の中に1点入れると、空間が引き締まります。

腰壁の素材を古材やサブウェイタイルにすれば、手元を隠しながら西海岸らしさも足せます。

仕切りを作りつつ抜け感も残せるため、LDKを閉じすぎないゾーニングとして扱いやすい方法です。

ダイナー系の実例|ステンレスと躯体現しで無骨さを出す

築37年・80㎡のマンションを夫婦で住み継ぐためにリノベした事例から、ダイナー系の作り方を読み解きます。

設計はインテリックス空間設計。施主が思い描いたのは、カリフォルニア郊外の砂漠寄りにあるモーテルやダイナーの風景です。

ステンレス・躯体現し・古材・ヤシの木が、その世界観を支えています。

引用:あふれるグリーンと、味のある素材感が魅力の家

ステンレス×躯体現し|カリフォルニア郊外のダイナーを再現

マンションリノベーション後のキッチンスペース。正面に壁付けのステンレスキッチンを配置。キッチンの左側壁面には正方形のブルータイル、右側壁面と天井にはコンクリート現し仕上げを採用している。壁面に設置したバーにはフライパンや鍋などの調理器具を吊るして収納。天井からは複数のハンギングプランツを吊り下げている。右端には木製ダイニングテーブルとマスタード色のチェアを配置している。インテリックス空間設計のリノベーション事例。

このキッチンの主役は、業務厨房のような無骨さを持つステンレスです。

既製品の面材を貼り替えるのではなく、ステンレスそのものを素材として前面に出しています。天井と壁を躯体現しのままにしたことで、ダイナーの飾らない空気が生まれました。

白の羽目板で明るいビーチハウスを作るサーフ系とは、対極にある西海岸の表現です。同じ「西海岸風」でも、系統が違えば仕上がりはここまで変わります。

鉄管とむき出し配管がもたらすインダストリアル要素

天井には鉄管が走り、配管をあえて隠さず見せています。

通常は天井裏に収める部分を見せることで、ダイナーの無骨さがさらに際立ちます。マンションの躯体をそのまま生かした、構造を見せる素材表現です。

サーフ系の軽やかさより、インダストリアル寄りの西海岸に惹かれる人にとって、参考になる手法になります。

古材フローリングとヤシの木が作る空気感

西海岸風の明るいビーチハウスキッチンの画像

床には、ラフな表情の無垢の古材が敷かれています。

ステンレスと躯体現しだけでは空間が硬くなりますが、古材の温かみがその冷たさを和らげています。さらにヤシの木をはじめとするグリーンが、カリフォルニアの乾いた空気感を補強します。

硬い素材に植物の柔らかさを重ねる。この対比が、無機質に終わらないカフェ・ダイナーらしい仕上がりを作っています。

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サーフ系の実例|白の板張りと無垢材で明るさを出す

築20年・80㎡のマンションを、3LDKから1LDKへ間取りを変えてフルリノベーションした住まいから、サーフ系の作り方を読み解きます。

設計・施工はMy Design/株式会社Izumida。テーマはアメリカ西海岸のサーファーが暮らすビーチハウスで、白を基調とした明るさと、無垢材の質感が空間の軸になっています。

引用:California Project(BEACH)マンションリノベ

白の板張り天井が空間の明るさを決めている

カリフォルニアスタイルをイメージした開放感あふれるLDK。手前には無垢材天板を用いた対面式キッチンを配置し、黒いペンダントライトとダイニングテーブルを併設。奥のリビングにはラフで無骨なヘリンボーン張りの壁面があしらわれ、サーフテイストな空間を演出している。My Design(株式会社Izumida)のリノベーション事例。

天井は白の板張りで、光を反射して空間全体を明るく保っています。

同じ板張りでも、色を落とした古材を使えば空気は一気に重くなります。白で仕上げることで、海辺の別荘に近い軽さが出ました。

コンロ前や壁面に木を多用しても暗く沈まないのは、面積の大きい天井が白で抜けているためです。素材を足す前に、どの面で抜きを作るかを決めておくと、木の量が増えても重くなりません。

無垢材の天板とステンレスの配分が7対3に収まっている

カウンターの天板には無垢材が使われ、シンクとレンジフードだけがステンレスです。

木材を主役に置き、金属を脇に回す配分になっています。ステンレスを増やせば業務用厨房の冷たさが出ますが、この住まいでは水まわりに限定することで、生活の温度が残りました。

天板を無垢材にすると水や熱への強さは落ちます。それでも選ぶのは、経年変化そのものを仕上げとして扱うためです。

黒のペンダントとグースネック水栓が締めの役割を担っている

カウンター上には黒のペンダントを横並びに吊り、水栓は首の高いグースネック型を選んでいます。

白と無垢材だけでは輪郭がぼやけますが、黒とクロームが数か所に入ることで空間が締まります。設備は面積が小さいぶん、色と形の主張が効きやすい部分です。

照明を電球色にすると、夕方のカリフォルニアに近いオレンジがかった光がカウンターに落ちます。同じ器具でも色温度で空気が変わるため、器具の形だけで決めない判断が要ります。

ヘリンボーンの壁は1面だけに絞られている

西海岸のビーチハウスをテーマにフルリノベーションされた室内。左手は黒枠の室内窓を設けたワークスペースで、奥にヘリンボーン張りの壁が見える。右手は無垢材の質感を活かした木製天板のカウンターキッチンとなっており、白い壁面にはサーフボードが飾られている。My Design(株式会社Izumida)の事例。

リビング側の壁の一面だけがヘリンボーン張りで、残りは白い壁のままです。

全面に木を張れば西海岸らしさは強まりますが、同時に空間は暗く重くなります。1面に絞ることで、ラフさと明るさが両立しました。

キッチンとリビングが繋がった間取りでは、キッチン単体ではなくLDK全体で素材の総量を配分します。この住まいのように、アクセントを置く面を1つに決めておくと、部屋ごとの濃さがばらつきません。

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西海岸風キッチンのリノベ相談

西海岸風キッチンは、素材・設備・リビングとの繋がりを揃えて初めて、リノベでしか作れない世界観になります。

サーフ系で明るいビーチハウスを目指すか、ダイナー系で無骨なカリフォルニア郊外を目指すか。方向性によって、選ぶべき素材も設備も、最適な提案も変わります。

自分の住まいでどちらの系統が成立するかは、実績のある会社に相談して具体化するのが近道です。フルリノでは、西海岸風リノベを得意とする会社を探せます。

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記事を書いた人
開原 崇友(かいはら たかとも)

開原 崇友(かいはら たかとも)

建築系ベンチャーにて、組織づくりや新規事業立ち上げに従事。 また、建築会社やスタートアップ企業の事業戦略・人事コンサルタントとして、さまざまな企業の支援にも。 長きに渡る建築業界での経験から、建築プラットフォームを構想。フルリノ!を立ち上げる。

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