「土地はあるけれど、建て替えに総額いくらかかるのか見当がつかない」 「解体費用や諸費用を含めると、予算オーバーしないか心配…」
土地ありの建て替えの場合、単に新しい家の建築費だけでなく、「今ある家の解体費」や「地盤改良費」など、独自のコストを計算に入れる必要があります。
この記事では、土地あり・建て替えにおける「20坪・25坪・30坪・40坪・50坪」ごとの総額費用を徹底シミュレーションしました。
本体工事費だけでなく、見落としがちな諸費用まで含めたリアルな内訳を公開します。ご自宅の坪数に合わせて、資金計画の参考にしてください。
▼この記事でわかること
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建て替えの費用、土地ありの費用相場は?

建て替え費用は、「①解体工事」「②本体工事」「③付帯工事」「④諸経費」の4つに大きく分けられます。
それぞれの費用の役割と、予算配分の目安は以下の通りです。
費用の内訳 | 目安の割合 | 内容 |
① 解体工事費 | 約5% | 古い家を壊して更地にする費用 |
② 本体工事費 | 約70% | 新しい家そのものをつくる建築費 |
③ 付帯工事費 | 約15% | 外構(庭)、地盤改良、インフラ引き込みなど |
④ 諸経費 | 約10% | 登記、ローン手数料、仮住まい・引越し費用 |
これら4つを足し算したものが、最終的な総額になります。
総額 = 解体工事費 + 本体工事費 + 付帯工事費 + 諸経費
費用の単価相場
昨今の資材価格・人件費の高騰により、建築費の相場は数年前に比べて上昇しています。 資金不足にならないよう、以下の最新の相場観で計算することをおすすめします。
▼構造ごとの単価リスト(2025年水準)
構造 | 建築費の坪単価 | 解体費の坪単価 |
木造 | 75~95万円 | 4万~6万円 |
鉄骨造 | 90~120万円 | 5万~7万円 |
RC造 | 100~130万円 | 6万~10万円 |
※建築費:大手ハウスメーカーや注文住宅の標準的な仕様を想定。 ※解体費:アスベスト除去費用や、狭小地でのガードマン配置費用などは別途必要です。
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【早見表】土地あり建て替え費用の総額目安リスト

前述の単価をもとに算出した、建坪ごとの総額目安一覧です。 詳細な内訳を見る前に、まずはご自宅の坪数の概算を把握してください。
坪数 | 総額目安(解体・諸費用込) | 想定する間取り・特徴 |
20坪 | 2,200万円 ~ 2,600万円 | 1〜2人暮らし/平屋・狭小住宅 |
25坪 | 2,700万円 ~ 3,100万円 | 2〜3人家族/コンパクトな3LDK |
30坪 | 3,000万円 ~ 3,600万円 | 3〜4人家族/標準的な2階建て |
40坪 | 3,900万円 ~ 4,600万円 | 4〜5人家族/収納・書斎重視 |
50坪 | 4,800万円 ~ 5,800万円 | 二世帯住宅/完全分離型など |
※上記は「木造住宅」での試算です。鉄骨・RC造の場合はさらに費用が上がります。
※ZEH(高性能住宅)にする場合の費用増
近年主流となっているZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)基準にする場合、断熱材や窓のグレードを上げるため、標準単価に加えて坪単価+10万〜15万円(30坪で約300万〜450万円)の初期費用の増加を見込む必要があります。
その分、光熱費の削減や「補助金(100万円前後)」の対象になるため、トータルコストで判断しましょう。
【20坪】建て替え費用の内訳シミュレーション

平屋や狭小地での建て替えが多い「20坪(約66㎡)」のシミュレーションです。 坪数が小さいため総額は下がりますが、坪単価は割高になります。
項目 | 費用目安 | 内訳・計算式 |
① 本体工事費 | 1,700万円 | 坪単価85万円 × 20坪 ※小規模なため単価は割高設定 |
② 解体工事費 | 100万円 | 木造解体 坪5万円 × 20坪 |
③ 付帯工事費 | 350万円 | 外構・インフラ整備(固定費がかかるため高め) |
④ 諸費用 | 250万円 | 仮住まい・諸経費など |
合計 | 2,400万円 |
20坪の費用変動ポイント
「坪単価」は高くなる
総額は安いですが、キッチン・浴室・トイレなどの「設備費(約200〜300万円)」は30坪の家と同じだけかかるため、坪単価(1坪あたりの建築費)計算では割高になります。
足場コストの比率
狭小地での建て替えでは、隣地境界ギリギリに足場を組むための追加費用や、ガードマン配置費用がかさみやすく、付帯工事費の割合が高くなる傾向があります。
【25坪】建て替え費用の内訳シミュレーション

都市部の3階建てや、コンパクトな平屋で人気の「25坪(約82㎡)」のシミュレーションです。 30坪より少し小さいですが、工夫次第でファミリーでも暮らせるサイズ感です。
項目 | 費用目安 | 内訳・計算式 |
① 本体工事費 | 2,050万円 | 坪単価82万円 × 25坪 ※20坪よりは割安になる傾向 |
② 解体工事費 | 125万円 | 木造解体 坪5万円 × 25坪 |
③ 付帯工事費 | 400万円 | 狭小地対応の給排水・外構など |
④ 諸費用 | 325万円 | 登記・火災保険・仮住まい費用 |
合計 | 2,900万円 |
25坪の費用変動ポイント
「準耐火・3階建て」のコスト増
25坪の家は都市部の密集地に多いため、建ぺい率や容積率の制限から延床面積を確保するには「3階建て」が必要になるケースが多く、さらに法律で「準耐火建築物」を求められることがあります。
その場合、燃えにくい窓(網入りガラス)への変更や、3階建て特有の構造計算費が発生し、標準仕様より150万〜200万円高くなるケースが多発します。
収納不足によるオプション追加
床面積が限られるため、既製品のタンスなどを置くと部屋が狭くなります。
空間を有効活用するために「造り付け家具(壁面収納など)」をオーダーする人が多く、これが数十万円単位の隠れた追加出費になります。
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【30坪】建て替え費用の内訳シミュレーション

日本の戸建てで最も標準的な広さ「延床面積30坪(約99㎡)」のシミュレーションです。 木造2階建て・標準グレードで計算しています。
項目 | 費用目安 | 内訳・計算式 |
① 本体工事費 | 2,400万円 | 坪単価80万円 × 30坪 ※標準的な設備の注文住宅 |
② 解体工事費 | 150万円 | 木造解体 坪5万円 × 30坪 |
③ 付帯工事費 | 450万円 | 地盤改良・屋外給排水・外構工事など |
④ 諸費用 | 350万円 | 登記・印紙・ローン手数料・火災保険 +仮住まい費用(約150万) |
合計 | 3,350万円 |
30坪の費用変動ポイント
「標準」の罠に注意
30坪は各メーカーが「標準プラン」として広告を出しているサイズですが、広告価格(本体のみ)と実際の総額(解体・諸経費込)には約1,000万円の乖離が生まれます。
「2,000万円で建つ」という広告を鵜呑みにせず、解体・外構でプラス500万円以上かかることを見越しておく必要があります。
解体費のリスク
30坪の家が建つ住宅地は隣家との距離が近いケースが多く、重機が入らない(手壊し解体になる)と、解体費が上記目安より30〜50万円跳ね上がる可能性があります。
【40坪】建て替え費用の内訳シミュレーション

4人〜5人家族や、収納重視の間取りで多い「40坪(約132㎡)」のシミュレーションです。 建物が大きくなる分、外構費用なども連動して上がります。
項目 | 費用目安 | 内訳・計算式 |
① 本体工事費 | 3,120万円 | 坪単価78万円 × 40坪 |
② 解体工事費 | 200万円 | 木造解体 坪5万円 × 40坪 |
③ 付帯工事費 | 550万円 | 広い庭の外構・フェンスなど |
④ 諸費用 | 430万円 | 仮住まい・ローン手数料など(借入額増のためUP) |
合計 | 4,300万円 |
40坪の費用変動ポイント
外構費用の膨張
建物が大きい=敷地も広いため、家の周りを囲うフェンスの長さや、駐車場の土間コンクリート面積が増え、外構費用が予算オーバーの主犯になりがちです。
見落としがちな「窓・カーテン・照明」
部屋数や窓の数が増えるため、カーテンレール工事や照明器具、エアコン設置台数が標準プランを超過しやすく、これだけで数十万円の追加出費が発生します。
【50坪】建て替え費用の内訳シミュレーション

完全分離型の二世帯住宅や、広々とした邸宅サイズとなる「50坪(約165㎡)」のシミュレーションです。
建物が大きいため、坪単価は低下しますが、設備や諸経費の総額は跳ね上がります。
項目 | 費用目安 | 内訳・計算式 |
① 本体工事費 | 3,900万円 | 坪単価78万円 × 50坪 ※単世帯住宅の標準仕様と仮定 |
② 解体工事費 | 250万円 | 木造解体 坪5万円 × 50坪 |
③ 付帯工事費 | 650万円 | 広範囲の地盤改良・外構工事など |
④ 諸費用 | 500万円 | 登記・ローン手数料・引越し費用(荷物量が多く高額になりやすい) |
合計 | 5,300万円 |
50坪の費用変動ポイント
「二世帯」にすると数百万円アップ
上記のシミュレーションは「キッチンや風呂が1つ」の前提です。
もし玄関・水回りをすべて分ける「完全分離型二世帯」にする場合、設備費が2倍かかるため、上記総額にプラス300万〜500万円の予算追加が必要です。
維持費と税金
50坪を超えると固定資産税の評価額が高くなるほか、将来的な外壁塗装や屋根修理の面積も広大になります。
建築費だけでなく、将来のメンテナンス費用も一般的な住宅の1.5倍ほど見積もっておく必要があります。
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【要注意】土地ありの建て替えで発生する「3つの追加費用リスク」

土地ありの建て替えにおいて、解体してみないと分からない主な追加費用リスクは、「地中埋設物の撤去」「地盤改良費の変動」「アスベストの除去」の3点です。
これらは事前の見積もりに含まれにくいため、あらかじめ予備費として50万〜100万円ほど確保しておく必要があります
1. 地中埋設物の撤去(+30万〜50万円)
解体工事中、地面の下から「昔の建物のコンクリートガラ」や「古い浄化槽」、「古井戸」が出てくることがあります。
これらは放置できないため、撤去費用が別途発生します。
特に、数十年前に購入した土地や相続した土地では、地中の図面が残っておらず、掘って初めて発覚するケースが大半です。
2. 地盤改良費の変動(+50万〜100万円)
「今まで家が建っていたのだから、地盤は大丈夫だろう」と考えるのは危険です。
現在の建築基準法は昔より厳しくなっており、また、新しい家の配置(重心)が変わることで、新たな地盤補強が必要になることがあります。
調査の結果、本格的な柱状改良や鋼管杭が必要になれば、100万円近い出費増となります。
3. アスベストの除去(+数万円〜数十万円)
2006年以前に建てられた家には、断熱材や外壁材にアスベスト(石綿)が含まれている可能性があります。
アスベストが含まれている場合、飛散防止のための厳格な作業手順が義務付けられており、通常の解体費とは別に除去費用が加算されます。
建て替え費用を予算内に抑える4つのテクニック

建て替え費用の予算を抑えるには、「ローコスト住宅の検討」「形状の簡素化」「補助金の活用」「リノベーションへの切り替え」という4つのアプローチが有効です。
具体的な手法は以下の通りです。
1. ローコスト住宅(規格住宅)を選ぶ
「注文住宅=高い」と思われがちですが、あらかじめ間取りや仕様が決まっている「規格住宅(ローコスト住宅)」を選べば、費用を大幅に抑えられます。
- 一般的な注文住宅: 坪単価 80万円~
- ローコスト住宅: 坪単価 50万円~60万円
デザインや設備の選択肢は限られますが、30坪の家なら本体価格を1,500万円台に抑えることも可能です。「こだわり」よりも「予算」を最優先したい方には有力な選択肢です。
2. 家の形を「総2階・四角形」にする
物理的にコストが下がる方法です。
1階と2階の面積が同じ「総2階」にするだけで、屋根・基礎・外壁の面積が最小限で済み、構造的にも安定するため100万〜200万円近いコストダウンにつながります。
3. 補助金・減税制度をもれなく活用する
国や自治体の補助金は、年度ごとに新しい制度が発表されます。
人気の補助金(省エネキャンペーン等)は秋頃には予算上限に達して終了することが多いですが、次年度の募集開始(春頃)を狙って着工時期を調整するのも一つの手です。
また、現金給付だけでなく、年末の所得税が戻ってくる「住宅ローン控除」や、固定資産税の軽減措置などの減税制度を活用すれば、実質的な負担額を数百万円単位で減らせます。
【2025-2026年版】リフォーム・リノベ補助金ガイド|国と自治体の制度を徹底解説

4. フルリノベーションと比較する
もし予算が足りない場合は、基礎や骨組みを再利用する「フルリノベーション」が現実的です。
解体費や基礎工事費が浮くため、新築の6〜7割の費用で理想の住まいが手に入ります。
ただし、「古い家をどこまで直せるのか」「リフォームとは何が違うのか」など、判断に迷う点も多いはずです。
建て替えとリノベーションの詳細な費用比較や、リフォームとの違いについては、以下の記事でそれぞれ深く解説しています。
大きな決断をする前に、ぜひ一度目を通してみてください。
https://furureno.jp/magazine/house-rebuilding-cost
https://furureno.jp/magazine/difference_renovation_reform
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住宅ローンシミュレーションで返済額をチェック
建て替え費用の総額(概算)が分かったら、実際に無理なく返済できるかを確認するために、各金融機関のシミュレーションツールを活用しましょう。 金利や借入期間を入力するだけで、「月々の返済額」や「借入可能額」を即座に試算できます。
▼主要な住宅ローンシミュレーション
- 三井住友銀行: 住宅ローンシミュレーション
- 三菱UFJ銀行: 住宅ローンシミュレーション
- りそな銀行: 住宅ローンシミュレーション
- フラット35: 住宅ローンシミュレーション
ローン利用時の注意点
土地ありの建て替えでも住宅ローンは利用可能ですが、一般的な住宅ローンは「完成した建物」に対して融資されるものです。
そのため、工事中に支払う「着手金」や「中間金」、あるいは「解体費用」や「仮住まい費用」については、つなぎ融資が必要になるケースがあります。
詳細は各金融機関へご相談ください。
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リノベーションを考えているならフルリノ!で探そう
この記事では、土地ありの建て替えにかかるリアルな総額シミュレーションを解説しました。
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この記事が、あなたの理想の住まいづくりに役立つことを願っています。
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