掃き出し窓にシャッターを後付けしたいと考えても、そもそも自分の家の窓に付くのか、費用はいくらか、手動と電動のどちらを選ぶべきか、判断に迷う場面は少なくありません。
後付けできるかどうかは、窓の大きさではなく、窓のまわりに残っている壁のスペースで決まります。
この記事では、設置の判断基準から、メーカーが公表する掃き出し窓の参考価格、手動・電動・タイプの選び分けまで解説します。
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掃き出し窓にシャッターは後付けできる?工法と判断基準

窓の周りに壁が残っていれば、掃き出し窓へのシャッター後付けはできます。
工事は「リフォームシャッター」が主流で、既存のサッシの外側に被せて固定するため、外壁を壊しません。
判断の分かれ目は窓の大きさではなく、固定に使える壁が上下左右に残っているかどうかです。
外壁を壊さずに取り付けるリフォームシャッターとは|施工は1窓1〜3時間
リフォームシャッターは、いまある窓の外側に被せて取り付けるシャッターです。
外壁に手を入れないため、工事はその日のうちに終わります。施工時間の目安はLIXILで最短1時間、YKK APで2〜3時間で、電動を選ぶ場合はこれとは別に配線工事の時間がかかります。
雨戸が付いている窓でも、外さずその上から施工できる製品があります。窓ごと取り替える外窓交換と比べると、工期と費用の負担の小ささがこの工法の特徴です。
後付けできるか判断する基準|上250mm・下65mm・左右各60mmの壁スペース
判断基準は、窓の上下左右に残っている壁の寸法です。
LIXILの標準仕様では、窓の上に250mm、下に65mm、左右に各60mmの平らな壁が必要で、鉄筋コンクリート造の場合は下が90mmになります。
「下に65mmあれば付く」と書かれた説明もありますが、それは下側だけの話で、4方向すべてが揃ってはじめて標準の取り付けができます。
壁の種類にも条件があり、対応するのは窯業サイディング・モルタル・RCの外壁です。
金属サイディングは専用の下地部材での対応になり、外壁の厚みが45mm以上あるとねじが構造体に届かず取り付けできません。
さらに実際に測ってみると、壁は広いのにエアコンの配管や雨どい、物干しの金具、軒、上階のバルコニーが邪魔をしているケースもよくあります。
付くかどうかは、壁の寸法・種類・障害物の3つで決まります。
※サイディングとは、外壁に張る板状の仕上げ材の総称。一般的な「窯業系サイディング」はセメントを主成分とした外壁材で、金属サイディングとは施工下地の仕様が異なるため、取り付け可否の判断基準も変わる。
スペースが足りなくてもBOX下げ納まりなら上85mmから
上に250mmを取れない窓には、「BOX下げ納まり」という方法があります。
シャッターの収納ボックスを通常より低く、窓枠にかかる位置に付けるやり方で、上に85mmあれば設置できます。
その代わり、部屋の中からボックスの裏が見える点は織り込んでおく必要があります。
左右が足りない窓には片側0mmで納める部材が、サイディングの凹凸やサッシの出っ張りには下地部材が、バルコニー下やウッドデッキにはそれぞれの対応品が用意されています。
標準の寸法はあくまで基準で、そこから外れた窓の多くにも納め方があります。
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シャッター後付けの依頼する前に確認しておきたいこと

依頼前に確認することは、住まいが戸建てかマンションかで変わります。
戸建てなら窓まわりの状態、マンションなら管理規約が最初の関門です。
費用を浮かせたくてDIYを考える人もいますが、外壁にビスを打つ工事なので、防水をしくじると雨漏りになります。確認の中身は、建物のルールと頼み先の2つに分かれます。
マンション・集合住宅の掃き出し窓は管理規約の確認が必須
マンションの場合、工事の前に管理規約の確認と管理組合への相談が要ります。
分譲でも、窓サッシやバルコニーは自分だけの持ち物ではなく、住人全員の「共用部分」にあたるのが一般的です。
共用部分の見た目を変える工事は管理組合の許可なしには進められず、断られた場合は、部屋の内側に付ける内窓やウッドシャッターが代わりになります。
マンションでの可否を決めるのは窓の寸法ではなく、規約と管理組合です。
DIYではなくリノベ会社に依頼すべき理由
シャッターの取り付けを、DIYで行うことはおすすめしません。
外壁にビスを打つため防水が甘いと雨漏りに直結しますし、掃き出し窓用の本体は大きく重く、一人で持ち上げれば落下やけがの危険もあります。
専門の会社なら施工の責任を負い、施工店経由の購入で製品起因の雨漏りに10年保証が付くこともあります。
自分でやって浮くのは工賃だけで、雨漏りの修理代まで考えると割に合いません。
信頼できる業者の選び方は、こちらで解説しています。
https://furureno.jp/magazine/how-to-choose-a-renovation-contractor
現地調査で確認してもらうポイント
シャッターが付くかどうかの結論は、現地調査で出ます。
寸法がぎりぎりの窓に特別な納め方が使えるかは、実物を測らないと判断できません。
エアコンの配管や雨どいとの干渉、追加部材の要否、2階なら足場の要否と金額も、見てはじめて分かります。
ネットの相場と自宅の見積もりがずれるのは、こうした現場条件が一軒ごとに違うからです。
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掃き出し窓シャッター後付けの費用相場|工事費込みの実額で見る

費用は工事費込みで、手動が約17〜21万円、電動が約30〜35万円です。
シャッターの価格は窓の大きさで決まるため、家で一番大きい掃き出し窓は、腰高窓より数万円高くなります。
「10万円台前半から」などの相場は小さい窓の金額で、掃き出し窓には当てはまりません。
メーカーが公表している掃き出し窓サイズの参考価格で、商品代と標準の工事費を含みます。タイプ別の目安は次のとおりです。
タイプ | 参考価格(工事費込み) | 備考 |
|---|---|---|
手動 | 約17〜21万円 | 標準タイプ |
手動・耐風 | メーカーで差あり | LIXILは標準より約8万円高い |
電動 | 約30〜35万円 | 配線工事費込み(室内5m以内) |
電動・採風 | 約42〜50万円 | 閉めたまま通風できる |
既存手動の電動化 | 1窓約18.1万円 | 本体を残しキットで電動化 |
出典:YKK AP「窓シャッターの後付けリフォーム」
出典:LIXIL「リフォームシャッター」
ここに入っていないのが、2階の足場代(数万円〜30万円)、雨戸の撤去費、ふかし枠の費用です。総額は、この基準額に現場ごとの追加分を足した金額になります。
手動シャッターの費用|17〜21万円(商品代+工事費)
手動は、工事費込みで約17〜21万円です。
YKK APが公表するテラス窓(幅168cm×高さ208cm)の参考価格で、現地調査費・配送費・工事費・消費税まで含みます。
窓の周りに障害物がない前提です。LIXILの定価で同じサイズを計算しても約19.5万円なので、どのメーカーを選んでも大きくは変わりません。
ネット専門の施工店なら15万円前後のこともあります。ただし保証やアフターサービスの条件が地域のリノベ会社とは違うため、値段の差はそのまま中身の差でもあります。
電動シャッターの費用|30〜35万円(商品代+工事費)
電動は、工事費込みで約30〜35万円です。
同じくYKK APの参考価格で、リモコン開閉タイプ、室内5m以内のコンセントにつなぐ配線工事込みの金額です。
電源が遠い場合や屋外に新設する場合は、ここに追加の工事費がかかります。なお、停電時に手で開けられる仕組みは標準で付いています。
手動との差は約13万円で、その中身はモーターと配線の分です。
見落としやすい追加費用|足場・雨戸撤去・ふかし枠
見積もりで金額が動くのは、「標準工事費」の外側にある3つの費用です。
大きいのが2階に付けるときの足場代です。
家一棟を囲めば20〜30万円、窓まわりだけの部分足場なら数万円台、足場を組まず高所作業車で済ませる会社なら1日3万円程度と、方法しだいで桁が変わります。
雨戸を外すなら撤去・処分費、サッシの出っ張りが足りなければふかし枠の工事費が加わります。「工事費込み」の表示だけで総額が読めないのは、この3つが家ごとに違うからです。
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費用を抑えるコツ|補助金の可否と見積もりの見方
費用を左右するのは、補助金の使い方と見積もりの読み方です。
国の「先進的窓リノベ事業」は断熱工事が対象なのでシャッター単体では補助が出ませんが、内窓や外窓交換と同時に施工すれば、その分は対象になります。
自治体の防災・台風対策の助成金が使える地域もあります。
本体の値段はどこに頼んでも大差ない一方、足場や撤去などの工事費は会社ごとに差が出ます。
窓リノベーションの補助金は、こちらで解説しています。
https://furureno.jp/magazine/renovation-subsidy-guide-window
シャッターは手動・電動どちらを選ぶ?

手動か電動かは、その窓を毎日動かすかどうかで決まります。
掃き出し窓は家で一番大きい窓で、シャッターも重くなります。
そのため、台風のときしか閉めない窓なら手動で足りますが、毎日の開け閉めがあるなら、約13万円の差を払って電動にする意味が出てきます。
大きい窓ほど重い|掃き出し窓のサイズと開閉負担の関係
掃き出し窓は人が出入りする窓で、幅1,800mm前後が主流です。
家の窓では最も大きく、シャッターの重さは窓の大きさに比例します。腰高の窓なら気にならない開け閉めも、掃き出し窓では毎日の負担になり、力の弱い人ほどこたえます。
リビングで毎日動かす窓か、台風のときだけ閉める窓か。窓の使い方がそのまま選び方につながります。
掃き出し窓のサイズについて、以下の記事で詳しく解説しています。
https://furureno.jp/magazine/sliding-glass-door-size
手動が向くケース・電動が向くケース
手動が合うのは、普段開けたままで台風のときだけ閉める窓です。
初期費用を抑えたいときも手動が候補になります。作りが単純なので壊れにくく、停電してもそのまま動かせます。
電動が合うのは、毎日開け閉めするリビングの窓、手の届きにくい2階の窓、高齢の家族が使う窓です。分かれ目は、その窓に毎日触るかどうかにあります。
電動を選ぶなら確認したい電源方式|ACアダプタ仕様なら電気工事不要
電動の費用と工期は、電源のとり方で変わります。
配線工事タイプは電気工事の資格者による作業が要り、その分の費用と日数がかかります。
一方、LIXILのACアダプタ仕様は、コードを室内のコンセントに差すだけで動くため、電気工事が要りません。
「電動=電気工事が必要」とは限らず、見積もりの金額差が電源方式の違いから来ていることもあります。
タイプの選び分け|耐風・採風と、手動シャッターの電動化

台風に備えるなら耐風、閉めたまま風を通したいなら採風です。手動シャッターが既にある家なら、本体ごと替えずに電動化する方法もあります。
どのタイプが合うかは、シャッターに何をさせたいかで決まります。
台風・飛来物対策なら耐風タイプ|耐風圧性能1200Pa・飛来物強度3kg
台風対策が目的なら、選ぶのは耐風タイプです。
掃き出し窓は開口が大きく、強風時に最も風に晒される場所です。飛来物でガラスが割れると、吹き込んだ風が屋根を内側から持ち上げ、被害が家全体に広がります。
YKK APの耐風タイプは風圧に標準の1.5倍(1200Pa)耐え、3kgの木材が時速55kmでぶつかっても割れない強度があります。
標準との価格差はメーカーで違い、LIXILは素材が鋼板からアルミに変わる分、約8万円高くなります。風の当たりやすい向きの窓だけ耐風にすれば、費用と備えの釣り合いが取れます。
閉めたまま通風したいなら採風タイプ|ただし42〜50万円と高い
標準タイプは閉めれば光も風も止まり、少し開けて風を通すやり方は外から開けられるので防犯になりません。
採風タイプは羽根の角度で風と光だけを通し、視線は遮ります。
ただしYKK APの参考価格で約42〜50万円と手動の2倍以上するため、風を通したいだけなら、換気設備で済むかどうかを先に検討しましょう。
すでに手動シャッターがあるなら|本体を残して電動化する方法
手動シャッターが付いている家なら、本体を残したまま電動にできます。
シャッターの電動化キットがあり、レールや本体はそのまま活かし、巻き取り部とモーターだけを交換します。
本体ごと入れ替えないぶん費用は軽く、工事費込みで1窓あたり18万円前後が目安です(窓幅180cmまで。超える場合は1万円程度の追加)。
複数の窓をまとめて頼めば、1窓あたりの単価はさらに下がります。
キットを自分で取り付ければ安くなりますが、シャッターの分解から巻き取り部の交換、電源まわりまで自力でこなす必要があり、組み付けを誤ればシャッターごと動かなくなります。
安さと引き換えにするには失敗の代償が大きいため、取り付けは専門会社に任せるほうが確実です。
なお、これから新規で付ける場合は事情が逆になります。手動17〜21万円に後から18万円前後を足すより、最初から電動30〜35万円を選ぶほうが安く済むからです。
電動化キットがコスト面で有効なのは、手動シャッターがすでに付いている家だけです。
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知っておきたいデメリットと、効果の限界

シャッターの弱点は、暗さ・音・そして効果の範囲です。
閉めれば部屋は真っ暗になり、開け閉めには音が出ます。防犯に効くのは閉めている間だけで、断熱と防音は専用の設備に及びません。
得意なことと不得意なことを分けて見ると、シャッターに任せる範囲がはっきりします。
知っておきたいデメリット|真っ暗になる・開閉音・初期費用
標準タイプを閉めると、昼でも部屋は真っ暗になり、照明なしでは過ごせません。
暗さに加えて音の問題もあります。
手動はガラガラという開閉音が響くため、早朝や深夜の開け閉めは近所に気を使いますし、電動にしても静かになるだけでモーター音までは消えません。
日差しや視線を遮りたいだけなら、そもそもカーテンやロールスクリーンのほうがずっと安く済みます。
シャッターにお金を払う理由になるのは、台風対策のように布ではできないことです。
シャッターの防犯効果はどこまで?「外から開けられる」という疑問
シャッターが防犯に有効なのは、完全に閉め切っている間だけです。
閉めればガラス破りの経路をふさげますが、半開きは別で、外から開けられるため防犯の意味がありません。
在宅中や日中のシャッターを開けている時間は、そもそも無防備です。就寝時と長期外出時に閉める設備と割り切り、日常の防犯は補助錠や防犯フィルムと組み合わせましょう。
掃き出し窓の防犯対策は、こちらで解説しています。
https://furureno.jp/magazine/sliding-glass-door-security
断熱・防音の効果はどこまで期待できる?
期待できるのは、防音で約30dB、断熱は補助程度までです。
YKK APの試験では、閉めると室内に入る音が約30dB下がるとされています。
90dBは電車が通るガード下くらいの騒がしさで、そこから30dB下がると、普通の会話と同じ60dB程度になります。
幹線道路沿いの音がテレビの音量で気にならなくなる、というくらいの変化です。断熱のほうは、窓との間にできる空気の層が効く程度で、内窓(二重窓)には届きません。
防音なら一定の効果を見込めますが、断熱が目的なら内窓のほうが確実です。
まとめ|掃き出し窓のシャッター後付けは、設置条件の確認から
掃き出し窓へのシャッター後付けは、壁を壊さずにできる工事です。
付くかどうかは、窓の上250mm・下65mm・左右各60mmの壁があるかが基準で、足りなくてもBOX下げ納まりなどで納められる場合があります。
費用は工事費込みで手動が約17〜21万円、電動が約30〜35万円です。台風に備えるなら耐風タイプ、毎日動かすなら電動、閉めたまま風を通すなら採風タイプが候補になります。
正確な可否と金額は、現地を測ってはじめて分かります。フルリノでは、シャッターの後付けを含む窓まわりのリフォームに対応できるリノベ会社を無料で紹介しています。
2〜3社の見積もりを並べて比べれば、自宅の窓で何ができて、いくらかかるかが具体的になります。
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