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中古マンションのリノベーションで後悔する原因と対策|マンション特有の落とし穴

中古マンションを購入してリノベーションしたものの、完成後に後悔するケースは少なくありません。

原因の多くは、戸建てには存在しない管理規約や修繕積立金、共用部の制約など、マンションという住まい方特有の事情を知らなかったことにあります。

費用がはねるポイントや会社選びのコツは、動画でも解説しています。

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中古マンションのリノベーションで後悔しやすい9つの原因

中古マンションのリノベーションで後悔する原因は、管理規約や構造上の制約、修繕積立金や資産価値といったお金の問題、工事段階特有のトラブルまで多岐にわたります。

実際に多くの人が直面するのは、次の9つのパターンです。

費用相場などを知りたい方は、以下の記事で詳しく解説しています。

https://furureno.jp/magazine/used-condo-reform-cost

①管理規約・構造制限で希望の間取りにできなかった

マンションの構造には、壁で建物を支える「壁式構造」と、柱と梁で支える「ラーメン構造」があります。

壁式構造では耐力壁を撤去できないため、間取り変更の自由度は工事前の想定より小さくなりがちです。

管理規約による水回り移動の制限も加わり、購入後にリノベーション会社との打ち合わせで初めて実現できないと分かるケースが目立ちます。

構造も管理規約も、物件情報だけでは分からない部分です。

だからこそ、購入前に「この物件はどこまで変えられるのか」を専門家に確認しておくことが欠かせません。

フルリノでは無料の相談会を開いていて、費用だけでなく、気になっている物件でどこまで変更できるかも購入前に確かめられます。

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②規約違反リノベで資産価値が下がった・告知義務が生じた

床材の遮音等級など管理規約の基準を知らずに選ぶと、規約違反として原状回復を求められることがあります。

個人的な趣味を強く反映したデザインは、買い手が見つかりにくく資産価値の低下につながります。

家の骨組みに関わる増改築を行った場合は、宅地建物取引業法上の告知義務が生じ、売却時の重要事項説明で買主に伝える必要があるケースもあります。

③共用部(サッシ・玄関ドア)に手を出せず断熱・デザインが実現しなかった

窓サッシや玄関ドア、バルコニーは居住者全員の資産である共用部にあたり、個人の判断で交換できません。

そのため、断熱性能を高めたくてもサッシ交換ができず、内窓で代替するしかなく、思いどおりの性能向上が実現できないケースがあります。

④理事会申請・近隣挨拶を怠り工事が止まった

着工前には管理組合の理事会に工事申請書を提出し、承認を得る必要があります。

申請を怠ったり、上下左右の住戸への挨拶を省略したりすると、苦情や工事の一時中断に発展することがあります。

⑤エレベーター養生・搬入経路の制約で工期が延びた

資材の搬入・搬出にはエレベーター養生や共用廊下の使用ルールが伴い、利用可能な曜日・時間帯も管理規約で制限されます。

大型資材がエレベーターに入らず、階段での手運びやクレーンでの搬入が必要になり、追加費用と工期の延長につながることがあります。

⑥修繕積立金が値上がりして支出が膨らんだ

多くのマンションは、新築時に低く設定した積立金を5年・10年ごとに引き上げる「段階増額積立方式」を採用しています。

購入時点の金額だけで資金計画を立てると、数年後の値上げ分が想定外の支出になります。

修繕積立金の相場やシミュレーションは、こちらで確認できます。

https://furureno.jp/magazine/mansion-maintenance-cost

⑦二重床だと思ったら直床で水回りを動かせなかった

床下に配管スペースがある「二重床」なら水回りの位置変更がしやすい一方、スラブに直接床材を貼る「直床」では配管の移動がほぼできません。

内見時に床の構造を確認しないまま契約し、着工後に水回りを動かせないと判明するケースがあります。

⑧資産価値の下落カーブを知らず割高な時期に買ってしまった

マンションは購入した瞬間に価格が1〜2割下落する「新築プレミアム」があり、その後も築年数とともに価値が下がり続けます。

下落カーブを把握しないまま築浅の物件を高値で購入すると、将来の売却で損失を被る可能性が高くなります。

⑨旧耐震基準で住宅ローン控除が使えなかった

1981年6月1日より前に建築確認を受けた物件は旧耐震基準にあたり、住宅ローン控除の対象外になることがあります。

耐震基準適合証明書の取得には追加の診断費用と時間がかかるため、資金計画に組み込めていないと想定外の負担になります。

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中古マンションのリノベーション事例|抜けない柱があるLDKの間取り変更

和歌山にある築22年・65平米のマンションを、株式会社an cube(アン キューブ)が改修した事例です。夫婦二人の暮らしに合わせて、キッチンまわりを中心に作り替えています。

柱を抜けるかどうかで分かれた、リノベ会社2社の判断

現地調査の段階で、キッチンまわりの柱は抜けないという判断になりました。耐震性を確保するために残す必要があったためです。

施主は別の会社からは抜けると言われていて、判断が分かれた部分でした。

an cubeは、家の骨組みを弱くする改修はしないという考え方を施主に伝えたうえで、柱を残したまま成立するプランを提案しています。

施主はその説明を受けて、この会社に依頼することを決めました。

構造の制約が出てきたときに、プランを縮小するのではなく、残るものを前提に組み直すという進め方です。

築22年のマンションのダイニングキッチンのビフォー画像。閉鎖的で孤立感のある対面キッチンや、昔ながらのペンダントライト、木目調のダイニングテーブルが配置された、改修前の生活感のある空間。
改修前のキッチン・ダイニング

柱を納めた壁と、空間を仕切りきらない室内窓

もともとキッチンは、リビング・ダイニングから少し離れた位置にありました。設備の向きを90度変えたことで、LDKとのつながりが生まれています。

残した柱は、レンジフードの前に立てた壁の内側に納まりました。その壁にはアイアン格子の室内窓が入っていて、キッチンとLDKが完全には仕切られない形になっています。

柱を隠すためにできた壁が、そのままLDKのアクセントになりました。

キッチンの横には、壁面いっぱいに可動棚を設けたパントリー(食品や日用品をまとめて置いておく収納)のスペースがあります。ダイニングテーブルはan cubeが製作したものです。

夫婦が強く希望していた寒さ対策は、床暖房などの導入で対応しています。

セカンドライフに向けてインダストリアル調にフルリノベされたマンションのリビング。天井や壁面をダークトーンでまとめ、木目調のシーリングファンを設置。壁掛けテレビの下には造作のローボードを備え、黒のレザーソファとリクライニングチェアを配置。窓外の緑とシックな内装が調和するan cubeの事例。
AFTER:リビング

間取りの自由度は物件ごとに違うので、同じように進むとは限りません。ただ、抜けない柱が出てきた時点でプランが行き詰まるわけではない、という一例にはなります。

参考:ご夫婦のセカンドライフを充実させる、〝細部に技あり〟のリノベーション/an cube(アン キューブ) 

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中古マンションのリノベーションで後悔しないための6つの対策

中古マンションの後悔を防ぐ鍵は、契約前にどこまで確認できるかです。9つの原因に対応する具体的な確認方法は、次の6つです。

①管理規約・理事会議事録を必ず入手して工事制限を確認する

管理規約には、工事可能な曜日・時間帯、使用できる床材の遮音等級、資材搬入のルールなどが明記されています。

理事会の議事録からは滞納率や過去のトラブル事例も読み取れるため、内見時にリノベーション会社の担当者に同行を依頼すると見落としを防ぎやすくなります。

②長期修繕計画と積立金残高をチェックする

長期修繕計画は、管理組合に開示を請求すれば入手できます。計画額に対して積立金が大幅に不足している場合、将来の値上げや一時金徴収のリスクが高い状態です。

③二重床か直床かを内見時に見抜く

床を軽く叩いた音の響きや収納部の床下で、二重床か直床かをある程度確認できます。

不明な場合は不動産仲介会社や管理会社に問い合わせておくと安心です。

物件選びの見極めポイントは、以下の記事でも解説しています。

https://furureno.jp/magazine/renovation-search-guide

④資産価値の下落データを踏まえて購入時期を見極める

公益財団法人東日本不動産流通機構「築年数から見た首都圏の不動産流通市場」によれば、成約物件の平米単価は築0〜5年を基準に、築6〜10年で約8%、築16〜20年で約31%下落します。

築36〜40年では約72%まで下落し、そこが底値の目安です。

築浅ほど下落率が大きく、築年数が進むほど価格が動きにくくなるので、購入後にどれだけ値下がりする余地が残っているかが、資産価値の面での判断材料になります。 

出典:公益財団法人東日本不動産流通機構「築年数から見た首都圏の不動産流通市場(2025年)PDF

⑤旧耐震基準の物件は住宅ローン控除の可否を事前確認する

建築確認済証の日付で新耐震・旧耐震を確認し、旧耐震の場合は耐震基準適合証明書の取得可否と費用を事前に見積もっておくと、資金計画の想定外を防げます。

耐震基準適合証明書の取得費用や耐震補強の相場は、「リノベーションで耐震補強工事をする場合の費用やポイントを解説」で詳しく解説しています。

⑥理事会申請・近隣挨拶のスケジュールを逆算して計画する

理事会の開催は月1回程度が一般的で、申請のタイミングを逃すと承認が翌月に持ち越され、着工が1ヶ月遅れることがあります。

着工希望日から逆算して申請時期を管理会社に確認しておくことが有効です。

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買わないほうがいい中古マンションの特徴

後悔の多くは、物件を選ぶ段階ですでに芽が出ています。以下の特徴に当てはまる物件は、リノベーション前提での購入を慎重に検討してください。

特徴

確認できる場所

直床で水回りを動かせない

重要事項調査報告書、管理会社への問い合わせ

修繕積立金の滞納が多い、残高や月額が少ない

長期修繕計画、修繕履歴

総会・理事会の議事録が形骸化している

総会議事録(仲介会社を通じて売主や管理会社に開示を依頼)

旧耐震基準で耐震診断を受けていない

管理組合の保有資料(診断結果・補強工事の記録)

共用部が汚れている、管理が行き届いていない

内見時の目視

直床で水回り移動がほぼ不可能な物件

直床構造は床下に配管スペースがないため、キッチンや浴室の位置変更ができません。

スラブに直接フローリングなどを施工する工法で、1980年代以前に建てられたマンションに多く見られます。

重要事項調査報告書や管理会社への確認で判別できるため、二重床と見た目だけで判断しないことが大切です。

水回りの間取り変更を前提に計画している場合、直床の物件は候補から外すか、変更なしの計画に切り替える必要があります。

修繕積立金の滞納率が高い、または積立金残高・月額が低いマンション

修繕積立金の滞納が多いマンションでは、必要な工事の費用が確保しづらく、一時金の徴収や工事の先送りが起きやすくなります。

築年数が古いにもかかわらず大規模修繕が一度も行われていない場合は、共用部の劣化が進んでいる可能性があるため、修繕履歴の確認が欠かせません。

積立金の残高が少ない、あるいは毎月の積立額が低いマンションも注意が必要で、長期修繕計画に対して積立のペースが追いついていないことがあります。

一方で、直近で大規模修繕を終えたばかりで残高が減っている場合や、新築から間もなく積立額がまだ十分に貯まっていない時期など、数字だけでは判断できないケースもあります。

長期修繕計画と照らし合わせて、現在の積立状況が計画の流れの中でどう位置づけられるのかを確認することが大切です。

総会・理事会議事録が形骸化し管理組合が機能していない物件

総会が形式的にしか開催されておらず、議事録に具体的な議論の記録がない場合、管理組合の機能不全が疑われます。

工事申請の承認が滞ったり、修繕計画の見直しが行われていなかったりする可能性があります。

総会議事録は、不動産仲介会社を通じて売主や管理会社に開示を依頼すれば確認できます。

出席率が低い、同じ役員が長年固定されている、議案への質疑応答が記録されていないといった点も、機能不全のサインです。

旧耐震基準で耐震診断が未実施の物件

旧耐震基準の物件でも、耐震診断や補強済みであれば安全性を確認できます。

診断そのものが行われていない物件は、住宅ローン控除の対象外になるだけでなく、耐震性能そのものが不明な状態でリノベーションすることになります。

診断の有無は、管理組合が保管している資料で分かります。実施済みであれば診断結果と補強工事の記録が残っているはずなので、仲介会社を通じて開示を依頼できます。

診断の手順や、マンションと戸建てで確認する箇所がどう変わるかは「リノベーションで耐震補強工事をする場合の費用やポイントを解説」で扱っています。 

共用部分が汚れている・管理が行き届いていない物件

エントランスや廊下、ゴミ置き場が散らかっている、掲示物が古いまま放置されている状態は、管理会社や管理組合の運営が機能していない兆候です。

共用部の清掃・管理状況は、内見時に自分の目で確認できる数少ない判断材料であり、荒れている物件は修繕積立金の使われ方や将来の資産価値にも不安が残ります。

リノベーション全般で起こりやすい後悔

戸建て・マンションを問わず起こりやすいリノベーションの後悔には、見えない劣化による追加費用、完成イメージとのズレ、総予算の見誤り、リノベ会社選びの失敗があります。

マンション特有の制約に加えて、計画の初期段階から完成まで、これらの一般的なリスクも押さえておく必要があります。

解体・施工段階でよくある想定外

壁や床内部の配管劣化は解体して初めて判明し、追加費用につながります。特に築20年を超える物件で多く見られる問題です。

また2D図面だけで打ち合わせを進めると、完成後に「思ったより狭い」などの空間認識のズレが生じやすくなります。

資金計画の見落とし

物件価格とリノベ費用の合計だけで予算を組むと、仲介手数料や登記費用などの諸費用(目安5〜8%)が漏れがちです。

また、物件購入費とリノベ費用を別ローンで借りると、リフォームローン部分が高金利になりやすい点にも注意が必要です。

リノベ会社選びを急ぎ、物件とリノベ計画がちぐはぐになる

不動産会社とリノベ会社を別々に探すと連携が取れず、契約後に「この物件では希望のリノベができない」と分かるケースがあります。

物件探しとリノベ会社選びを別々に進めて後戻りしないよう、最初からまとめて相談できる窓口もあります。

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この3つを含む、リノベーション全般で起こりやすい7つの落とし穴と対策は以下の記事で詳しく解説しています。

https://furureno.jp/magazine/full-renovation-regret

まとめ|中古マンションのリノベーションで後悔しないために

中古マンションのリノベーションで後悔しないための鍵は、マンション特有の制約を理解しておくことです。

9つの原因に共通するのは、管理規約・修繕積立金・共用部などの、戸建てには存在しない情報を購入前に確認できていたかどうかです。

物件選びの段階で6つの対策を実践し、買わないほうがいい特徴に当てはまる物件を避けられれば、多くの後悔は防げます。

ただ、管理規約や長期修繕計画の読み解きは、初めての物件購入では判断が難しい部分も多くあります。

フルリノでは、こうしたマンション特有の制約を踏まえたうえで提案できるリノベ会社を紹介しています。

まずは物件探しの段階から、気軽に相談してみてください。

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記事を書いた人
開原 崇友(かいはら たかとも)

開原 崇友(かいはら たかとも)

建築系ベンチャーにて、組織づくりや新規事業立ち上げに従事。 また、建築会社やスタートアップ企業の事業戦略・人事コンサルタントとして、さまざまな企業の支援にも。 長きに渡る建築業界での経験から、建築プラットフォームを構想。フルリノ!を立ち上げる。

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