「和の家具を入れたら、ただの古臭い部屋になってしまった…」
「ソファと畳がどうしても馴染まず、チグハグな印象に…」
和モダンなリビングづくりで、こうした違和感に直面していませんか?
木の温もりと現代的な機能美が融合する空間は、日本人が心安らぐ理想的な場所です。
その反面、素材感や家具のプロポーション(比率)を誤ると、和と洋が互いの良さを消し合い、雑多で垢抜けない空間になってしまうケースが少なくありません。
成功のセオリーは、全体の「重心」を低く抑え、アースカラーをベースに視覚的なノイズを徹底的に削ぎ落とすことです。
たとえベースが洋間であっても、配色と家具の高ささえ制御できれば、上質な和の空気感はつくれます。
一日の大半を過ごすリビングだからこそ、見た目の美しさだけでなく、肌触りや光の陰影にまでこだわりたいと考えるのは自然なことです。
この記事では、失敗しない配色の黄金比から、狭い部屋でも広がりを生むレイアウト術まで、洗練された和モダンリビングを実現する手法を徹底解説します。
▼この記事でわかること
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和モダンリビングの定義——「自然素材」と「直線美」を融合した空間

和モダンリビングとは、現代的な洋室の機能性に、日本人が落ち着く「和の要素」を取り入れたインテリアスタイルのことです。
具体的には、フローリングやソファなどの洋式のベースに、畳や無垢材などの「自然素材」と、障子や格子のような「直線的なデザイン」を組み合わせます。
靴を脱いでくつろぐ床座の心地よさと、椅子座の快適さをいいとこ取りした、懐かしくも新しい住まいの形です。
リビングだけでなく、外観や玄関も含めた「和モダンな家」全体の作り方や実例については、以下の記事で詳しく解説しています。
https://furureno.jp/magazine/japanese-modern-house
和と洋の組み合わせ方:木や畳の「質感」にモダンな「機能性」を足す
和モダンリビングの基本となるのは、現代の生活様式に即した洋室のスタイルです。
掃除のしやすさや家具の配置の自由度が高いフローリングやソファ、テーブルなどの洋式の要素をベースに据えることで、実用性を損なうことなく快適な空間を作ることができます。
ここに「和」のエッセンスを加えることで、無機質になりがちな洋室に温かみを吹き込みます。
具体的には、無垢材の床や和紙の照明、珪藻土の壁などの、触れたくなるような自然由来の質感をプラスしていきます。
これらの素材は、視覚的な美しさだけでなく、手触りや空気感などの五感に訴えかける心地よさを提供してくれます。
重要なのは、全体を和風にするのではなく、「モダン7:和3」程度のバランスに抑えることです。この絶妙な配分こそが、古臭さを感じさせず、洗練された印象を与えるための秘訣です。
デザインの特徴:装飾を削ぎ落とした「シンプル」な直線基調
和モダンデザインの大きな特徴は、装飾を極力削ぎ落としたシンプルな直線基調にあります。
華やかな彫刻や曲線を多用する洋風スタイルとは対照的に、和モダンは「直線」を基調としたシンプルなデザインが特徴です。
縦と横のラインを整えて余計な装飾をなくすことで、空間がスッキリと引き締まり、凛とした美しさが生まれます。
例えば、縦格子の建具や障子の桟(さん)、スクエアな形状の家具などを取り入れることで、空間全体に統一感が生まれ、すっきりとした印象を与えることができます。
また、素材そのものが持つ木目の美しさや質感を主役にするため、余計な装飾は不要です。
さらに、壁面にポスターや雑貨を飾りすぎず、あえて何もない「余白」をつくりましょう。
余白の美意識こそが、狭いリビングであっても広がりを感じさせ、心にゆとりをもたらす和モダンの真髄です。
居心地の正体:洋室でも靴を脱いでくつろげる「床座」の要素
和モダンリビングが落ち着く理由の一つは、洋室でありながら「床座」の要素を取り入れている点にあります。
一般的な洋風リビングよりも背の低い家具(ロースタイル)を選ぶことで、視線が下がり、重心が低くなります。
ロースタイルの家具を選べば、天井が高く感じられ、圧迫感のない開放的な空間が実現します。
また、ラグや置き畳を活用すれば、ソファに座るだけでなく、ソファを背もたれにして床に座るような柔軟な過ごし方が可能になります。
これは、「ソファに座る便利さ」と「床でゴロゴロする心地よさ」をいいとこ取りしたスタイルです。
ただし、床に近い暮らしになる分、直接肌に触れる床材や畳の「質感」選びがいっそう重要になります。
素足で触れたときの心地よさにこだわることで、日々の緊張が自然とほぐれるような、深いリラックス感が生まれます。
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配色と素材の法則|アースカラーと自然素材でつくる上質な統一感

和モダン空間をつくる配色の法則は、ベースカラーの7割をベージュや茶などの「アースカラー」で固め、アクセントで藍や抹茶などの「くすみのある和色」を効かせることです。
さらに、家具と建具の木目を揃えてノイズを消し、塗り壁や石などの異素材をミックスすることで空間に奥行きが生まれます。
ベースカラーの比率:ベージュ・グレー・茶の「アースカラー」で7割を固める
空間全体の配色は、「ベースカラー70%」「メインカラー25%」「アクセントカラー5%」の黄金比を意識しましょう。
和モダンでは、ベースとなる70%に木や白、ベージュなどのアースカラーを採用します。これにより、自然な温かみと落ち着きのある土台ができあがります。
メインカラーには、グレーや墨色などの無彩色を取り入れることで、空間を引き締めつつモダンな印象を与えます。
そして、アクセントカラーには、深緑や藍色、臙脂(えんじ)色などの「くすみ系」の和色を少量加えることで、上品な華やかさを演出します。
これらの色は、素材そのものの色味とも連動させることが重要です。
さらに、照明の色温度を電球色(暖色系)に統一すると、全体の色調が整い、より一層リラックスできる雰囲気を作り出せます。
この配色は、北欧テイストが好きな方や、落ち着いた暮らしを求める方にも最適で、ペットの毛が目立ちにくい実用的なメリットもあります。
差し色の選び方:藍・抹茶・小豆色など「くすみ感」のある和色を一点投入
アクセントカラーとして取り入れる「差し色」は、空間の印象を引き締める重要な役割を果たします。
和モダンでは、ビビッドな原色ではなく、日本の伝統色と呼ばれる「和色」を選ぶのが鉄則です。具体的には、藍色(あいいろ)、利休鼠(りきゅうねず)、小豆色(あずきいろ)などが挙げられます。
これらの色は、鮮やかすぎず、どこか懐かしさを感じさせる「くすみ感」を持っており、アースカラーをベースとした空間に自然と馴染みます。
ポイントは「一点豪華主義」です。色数をむやみに増やさず、ソファの上にクッションで1点、または壁のアートで1点だけ色を差すことで、洗練された「余白」を保つことができます。
また、夏には涼しげな藍色やガラス素材、冬には温かみのある朱色やウール素材のように、ファブリックの素材と色で日本の四季を表現するのもおすすめです。
木目の合わせ方:家具と建具の「樹種」と「トーン」を揃えてノイズを消す
統一感のある空間を作るためには、木目の合わせ方も重要です。
フローリング、ドア、テーブル、テレビボードなど、空間内に存在する木目の色味(赤み寄り・黄み寄り・ダーク系)を揃えることで、視覚的なノイズを消すことができます。
また、家具の塗装選びもポイントです。和モダンでは、テカテカと光を反射するウレタン塗装は避けましょう。
代わりに、木の質感を活かしたオイル仕上げやマット塗装の家具を選ぶことで、光を柔らかく受け止める「沈んだ質感」が生まれ、落ち着きのある雰囲気が生まれます。
さらに、木目だけでなく「ライン」にも注目しましょう。
テレビボードのルーバーや引き戸の格子など、縦のラインを強調するデザインを取り入れることで、空間にリズムが生まれ、整然とした美しさが際立ちます。

異素材のミックス:塗り壁・石・和紙を使い、のっぺりした空間に奥行きを
単調になりがちな空間に深みを与えるためには、異素材のミックスが効果的です。
壁の一部に「漆喰(しっくい)」や「珪藻土」などの塗り壁、質感のあるエコカラット(石材)を取り入れることで、素材特有の凹凸が生まれ、光と影の陰影を楽しむことができます。
また、照明のシェードやパーティションに「和紙」や「ラタン(籐)」などの光を透かす素材を取り入れるのもおすすめです。
これらの素材は、光を柔らかく拡散させ、空間全体を包み込むような優しい雰囲気を作り出します。
さらに、テレビの背面や暖炉周りに「大谷石(おおやいし)」などの石材を貼ることで、重厚感を演出することも可能です。
異素材を組み合わせることで、モダンでありながら高級感のあるフォーカルポイント(視線が集中する場所)を作ることができます。
https://furureno.jp/magazine/material-selection-renovationrenovation-mat
家具選びとレイアウト|「ロースタイル」で叶える開放的な暮らし

開放的な暮らしを叶えるレイアウトの正解は、家具の全高を低く抑える「ロースタイル」を徹底し、座面高35cm以下のソファを選ぶことで視線を下げることです。
生活感の出るものは壁面収納に隠して飾る場所を絞り、置き畳を活用して可変性のあるくつろぎスペースをつくるのがポイントです。
家具の高さ——視線を下げる「ロースタイル」で天井を高く見せる
和の空間は「床に座った時の目線」で作られているため、家具の全高を低く抑えることが重要です。
ローソファや座椅子、低いテーブルなどを選び、水平ラインを整えることで重心が下がります。家具の全高を抑えると、相対的に天井が高く感じられ、空間にゆとりが生まれます。
また、窓や庭の景色を取り込む「借景」も意識しましょう。窓を遮らない高さの家具を選ぶことで、外への視線の抜けを確保し、開放感を高めることができます。
テレビや飾り棚などの収納家具は、横長のレイアウトにすることで視線を横方向に誘導し、広がりを感じさせる効果があります。
ロースタイルは、使っていない部屋や手持ちの家具を活用したい場合や、孫が集まるような賑やかな場づくりにも最適です。
ソファ選び——座面高「35cm以下」を目安に、床座と馴染ませる
ソファを選ぶ際は、座面高35cm以下を目安にしましょう。一般的なソファ(40cm〜)よりも低いものを選ぶことで、床座の人とも目線が合いやすく、和の空間に馴染みます。
この時、重要になるのが「素材」です。低いソファでも、レザーや金属脚を選ぶとクールな「ホテルライク」になりすぎてしまいます。
和モダンに仕上げるなら、「木製のフレーム」や「ざっくりとした布地(ファブリック)」を選びましょう。
もちろん、デザインだけでなく機能性も大切です。
適度な硬さがあり、しっかりとした肘掛けが付いたものを選べば、立ち座りの際に膝や腰への負担が少なく、バリアフリーを意識した長く快適に使えるソファとなります。
収納の配置——生活感は「壁面収納」に隠し、飾る場所を一点に絞る
生活感の出やすいアイテムは、徹底的に隠すことが和モダンの鉄則です。造作の地袋や格子扉付きの収納を活用し、リモコンや雑誌、子供のおもちゃなどは見えない場所に片付けます。
飾り棚は厳選し、本当に見せたいものだけを飾ることで、空間にメリハリが生まれます。
また、配線や掃除道具、猫用品などの「定位置」を決めておくことも重要です。片付く仕組みを作っておくことで、日々の片付けが楽になり、美しい空間を維持しやすくなります。
さらに、ロボット掃除機や空気清浄機の置き場所や動線も事前に確保しておきましょう。片付かない悩みを根本から解決できます。
https://furureno.jp/magazine/storage-renovation

置き畳の活用——フローリングの一角を、可変性のある「和室」に変える
リビングの一角に「置き畳」や「小上がり」を取り入れることで、フローリングの空間に柔軟性が生まれます。
ここに座ったり、寝転んだり、何かを飾ったりと、多目的に使える「和の居場所」を作ることができます。
置き畳を活用すれば、行き止まりを減らし、家事動線とくつろぎ動線を分離することも可能です。
また、将来的に個室化したり、ゲスト対応スペースとして使ったりと、ライフスタイルの変化に合わせて可変性のある使い方ができるのも魅力です。
築年数が経って使いにくくなった間取りでも、置き畳なら置くだけで「くつろぎの場所」を増やせます。
大掛かりなリフォームをしなくても、今の暮らしに合わせて部屋の使い方を柔軟にアップデートできる有効な手段です。
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照明テクニック|光と影の陰影で魅せる、洗練された空間演出

洗練された陰影をつくる照明テクニックは、一室一灯をやめて必要な場所だけを照らす「多灯分散」を取り入れ、低い位置に間接照明を配置して重心を下げることです。
光源には夕日のような「電球色」を選び、和紙や格子を通して光を拡散させることで、柔らかく落ち着いた空間を演出できます。
間接照明の配置:足元や壁面を照らし、空間に「奥行き」を生む
間接照明は、光源を直接見せず、壁や天井に反射させた柔らかい光で空間を包み込む手法です。
天井を照らすコーブ照明や、壁を照らすコーニス照明を取り入れることで、空間に広がりと奥行きが生まれます。
特に、低い位置に間接照明を仕込むことで、重心が下がり、落ち着いた雰囲気を演出できます。
足元灯や地明かりを活用すれば、まるで旅館のような非日常的な安らぎを自宅で再現することも可能です。
点光源(スポットライトなど)と面光源(間接照明など)をうまく組み合わせることで、まぶしさを抑えつつ必要な明るさを確保できます。
歳を重ねても見やすく、目への負担が少ないメリットもあります。また、床面の掃除のしやすさや安全性などの悩みにも配慮した照明計画です。
器具と光の色:和紙やマットな素材を選び、「電球色」で温める
照明器具の素材選びも重要です。和紙や布、木などの素材を使ったシェードは、光を柔らかく拡散させ、温かみのある空間を作り出します。
また、マットな質感の真鍮や陶器なども、和モダンの雰囲気にマッチします。
光の色は、青白い昼光色ではなく、夕日の色に近い「電球色(2700K〜3000K)」で統一するのがおすすめです。
電球色は、木の表情を美しく見せ、肌の色も健康的に見せてくれる効果があります。高演色性のLED電球を選べば、より自然な色味を再現できます。
さらに、器具選びの際は、眩しさやホコリの付着しにくさ、メンテナンス性も考慮しましょう。ペットのいたずらリスクや掃除の負担などの日々の悩みも軽減できます。
多灯分散のルール:一室一灯は卒業。必要な場所だけを灯す「適所適光」
天井のシーリングライト1つで部屋全体を均一に明るくする「一室一灯」のスタイルは卒業し、必要な場所に必要なだけの明かりを配置する「多灯分散(一室多灯)」を取り入れましょう。
ペンダントライト、スタンドライト、スポットライトなどを分散させて配置すれば、空間にメリハリと深みが生まれます。
シーンに合わせて照明を使い分けることも大切です。
例えば、食事中はダイニングを明るく照らし、食後はスタンドライトだけの落ち着いた灯りに切り替える。
このように「回路」を分けたり「調光器」を活用したりすれば、一つの部屋で多彩なシーンを楽しめます。
さらに、調光機能やスマートスイッチを取り入れれば、ボタン一つで「くつろぎの明るさ」に切り替えられます。
光源が直接目に入らないように配置すると、不快な眩しさを防ぎ、陰影の美しさが際立つ上質な夜を楽しめます。
夜中に目が覚めても眩しくない「足元灯」や、年齢を重ねても安心して過ごせる明るさを確保するなど、将来の暮らしまで見据えた計画を立てましょう。

自然光のあしらい:障子や格子越しに取り込む、柔らかな「拡散光」
照明だけでなく、自然光の取り入れ方も和モダンリビングの重要な要素です。
直射日光をそのまま入れるのではなく、可動ルーバーや格子、障子などを通して光を和らげ、柔らかな「拡散光」にして室内に取り込みます。
拡散光にすれば、強い日差しによる眩しさや暑さを抑えつつ、明るさを確保できます。
外構の植栽や庇(ひさし)、すだれなどを活用して、外からの光をコントロールする「光を設計する」視点も取り入れましょう。
外からの視線を遮りつつ、プライバシーを守りながら採光できます。昼間の照明依存度を下げることで、光熱費の節約にもつながります。
また、時間の経過とともに床に落ちる影の移ろいを楽しむことも、和モダンならではの贅沢です。西日対策や断熱効果も期待できるため、快適な居住環境の実現にも貢献します。
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間取りと費用相場|LDKと和室の一体化リノベーションのポイント

LDKと和室の一体化リノベーションにかかる費用は、床の張り替えのみなら10万円から、壁を撤去してリビングを拡張する場合は150万円からが相場です。
間取り変更では「小上がり」か「フラット」かを用途に合わせて選び、見積もりの際は床の段差解消費用や廃材処分費が含まれているか確認する必要があります。
間取りの拡張:和室の壁を撤去し、LDKとつなげて光と風を通す
リビング横の和室の間仕切り壁や襖を撤去し、LDKと一体化させるリノベーションは、採光と通風を劇的に改善し、実際の畳数以上の開放感を得られる人気の手法です。
特に、築年数の経過した住宅に多い「中和室(窓のない和室)」の解消に効果的です。
ただし、壁を撤去する際は、構造上の制約に注意が必要です。
マンションは構造上の制約だけでなく、管理規約でリフォーム範囲が厳しく制限されていることが多いため、事前の確認が必要です。
一方、戸建ての場合も「抜けない柱(構造柱)」や「筋交い(耐力壁)」が存在するため、どちらもプロによる事前診断は必須です。
安全性が確認できれば、次は暮らしやすさの追求です。
例えば、小上がり畳を設置して「収納」と「ベンチ」の機能を兼ねさせたり、回遊動線を作って広がりを演出する工夫を取り入れましょう。
こうした構造とデザインの両面からのアプローチが、築古物件特有の「暗さ」や「動線の悪さ」を根本的な解決へと導きます。
畳のスタイル:収納力のある「小上がり」と、広く使える「フラット」
和室をリビングに取り込む際、「小上がり」にするか「フラット」にするかは大きな選択肢です。
小上がりは、床から30〜40cm程度高くした畳スペースのことで、段差部分を引き出し収納として活用できるのが大きなメリットです。
また、腰掛けたり、空間に高低差をつけることでメリハリが生まれる効果もあります。掘り座卓を設置すれば、デスクワークスペースとしても活用できます。
一方、フラットは、フローリングと同じ高さに畳を敷くスタイルです。段差がないためつまずく心配がなく、ルンバなどのロボット掃除機もスムーズに移動できます。
家具の配置換えもしやすく、リビングを広く使えるのが魅力です。賃貸やマンションであれば、工事不要の「置き畳」を使うのが手軽な方法になります。
ペットを飼っている場合は、爪が引っかかりにくい樹脂畳や、目の細かい織りの畳を選ぶことで耐久性を高めることができます。
家族のくつろぎ方や片付けの悩み、ペットとの共生などの課題に合わせて最適なスタイルを選びましょう。
費用の目安:床のみ変更なら10万円〜、間取り変更は150万円〜
和室のリノベーション費用は、工事の規模によって大きく異なります。予算に合わせて、どの程度の工事を行うか検討しましょう。
工事内容 | 費用の目安 | 特徴・詳細 |
床の張り替え | 10万〜30万円 | 最も手軽な工事です。畳を撤去してフローリングやクッションフロアに張り替えるだけで、部屋の印象はガラリと変わります。 |
和室の洋室化 | 30万〜50万円 | 床だけでなく、壁や天井のクロスを貼り替え、押入れをクローゼットに変更する工事です。部屋全体のトーンを洋風に統一でき、収納の使い勝手も向上します。 |
LDK一体化 | 150万〜300万円 | 間仕切り壁を撤去してリビングを拡張したり、床暖房を入れたりする本格的な工事です。構造に関わる補強工事が必要になる場合もあり費用は上がりますが、劇的な開放感と快適性が手に入ります。 |

見積もりの罠:見落としがちな「床レベル調整」と「廃材処分費」
リノベーションの見積もりを取る際、注意すべきポイントがいくつかあります。まず、「床レベル調整費」です。
畳はフローリングよりも厚み(約50-60mm)があることが多く、単に畳を撤去しただけでは段差ができてしまいます。
バリアフリーにするためには、床の高さを揃える下地調整工事が必要となり、その費用が見積もりに含まれているか確認が必要です。
次に、「廃材処分費」です。畳や土壁は「産業廃棄物」として扱われるため、処分費用が高くなります。
見積もりの「諸経費」や「廃材処分費」が適正な金額か、極端に安くなっていないかチェックしましょう。
また、リノベーションには「想定外」がつきものです。壁を剥がしてみたら、柱の腐食やシロアリ被害が見つかることもあります。
不測の事態に備え、予算には10〜20%程度の予備費を見ておきましょう。
https://furureno.jp/magazine/renovation-estimate
厳選実例集|おしゃれな和モダンリビング
おしゃれな和モダンリビングの実例として、格子戸で光を演出した空間、京都の料亭のようなおもてなし空間、そして既存の和室を活かしたホームシアターのある大人のリビングの3つを紹介します。
【戸建て】格子戸と間接照明の陰影。造作家具で「見せる収納」を叶えた光の空間

築35年の戸建てをフルリノベーションし、「光」と「収納」を美しく融合させた事例です。
リビングの主役は、壁一面に設けられた造作のテレビボード。
棚の背面に間接照明を仕込むことで、お気に入りの雑貨や小物がシルエットのように浮かび上がり、夜はまるでギャラリーのような幻想的な雰囲気を醸し出します。
また、ダイニングとの間仕切りには、天井まである大きな「縦格子の引き戸」を採用しています。
視線を完全に遮ることなく、光や家族の気配を緩やかに通すことで、空間に心地よい奥行きと広がりをもたらしました。
ダウンライトを分散させた照明計画を含め、機能性と「和」の美意識が高いレベルで調和した一室です。
この事例を担当したのは、ancubeです。事例のような和モダンリノベーションを希望している方は、ぜひお気軽にancubeへご相談ください!
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【マンション】小上がり畳とカウンター。ゲストをもてなす「京風和モダン」

「ゲストを招いておもてなしができる空間」をテーマに、3LDKをゆとりある2LDKに変更したマンションリノベーションです。
リビングの主役は、あえてソファを置かず、床座でくつろげるように造作された「小上がり(畳スペース)」。
リビングの床から一段上げることで、腰掛けたり寝転んだりと、ゲストが思い思いにリラックスできる「ラウンジ」のような居場所をつくりました。
また、リビングと一体になったダイニングキッチンには、大きなL型カウンターを配置。
料理をする手元と、畳でくつろぐゲストの視線が自然と交わるよう設計されており、マンションの一室でありながら、京都の隠れ家で過ごしているような非日常感を味わえるリビングです。
この事例を担当したのは、ANRISTYLE/リノベ図書館です。事例のような和モダンリノベーションを希望している方は、ぜひお気軽にANRISTYLE/リノベ図書館へご相談ください!
<<cta-builder-consultation-14>>
【戸建て】古き良き柱とステンレス。新旧が響き合う「異素材ミックス」

中古住宅の「和室2間」の壁を取り払い、開放的な広さを手に入れたLDKリノベーションです。 リビングの空間で目を引くのは、構造上あえて残した古い「柱」や「長押(なげし)」。
これらが単なる古材ではなく、モダンなリビング空間での「ヴィンテージ家具」のようなアクセントとして機能しています。
リビング側からキッチンを眺めると、温かみのある木の柱と、奥に見えるシャープなステンレスキッチンの対比が際立ちます。
古い日本家屋の記憶を残しつつ、現代的なインテリアが共存するリビングは、新築では決して出せない深みと個性を放っています。
この事例を担当したのは、いろどり住宅です。事例のような和モダンリノベーションを希望している方は、ぜひお気軽にいろどり住宅へご相談ください!
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失敗しないために。和モダンリビングづくり「3つの落とし穴」と対策

失敗を防ぐための対策は、暗すぎないように手元灯で「適所適光」を確保すること、圧迫感を出さないよう「ロースタイル家具」で統一すること、生活感を消すために「隠す収納」を徹底することの3点です。
「暗すぎる」問題への対策
和モダンは陰影を重視するため、一般的な洋室の照明計画のままでは「なんだか暗くて作業しづらい」と感じることがあります。
特に、読書や書き物、細かい作業をする際には不便さを感じるかもしれません。
対策としては、部屋全体を均一に明るくしようとするのではなく、必要な場所に必要なだけの光を確保する「適所適光」を守ることです。
具体的には、読書をするソファの横やデスクの上には「タスクライト(スタンド照明)」を用意し、手元をしっかりと照らせるようにします。
また、調光機能付きの照明器具を選ぶことで、シーンに合わせて明るさを調整できるようにしておくのも有効です。
「家具のサイズ感」のミスマッチ
座面の高い洋風ソファや、背の高い家具を置いてしまい、天井が低く圧迫感のある部屋になってしまうケースも少なくありません。
和モダンな空間では、視線を低く保つことが開放感を生む鍵となります。
対策としては、家具は「座面高35cm以下」「全高の低いもの」を選び、床座に近い「ロースタイル」で統一することです。
重心を下げることで、実際の畳数以上の広がりを感じられるようになります。また、家具の高さを揃えることで、視覚的なノイズが減り、すっきりとした印象を与えることができます。
「生活感」で台無しになる
和の空間はシンプルであるほど美しいため、リモコンや雑誌、子供のおもちゃなどが散らかるだけで、一気に雰囲気が崩れてしまいます。
生活感をいかに隠すかが、和モダンリビングの成功の鍵と言っても過言ではありません。
対策としては、見せる収納は1〜2箇所に絞り、それ以外は扉付きの「隠す収納」へ徹底的に片付けることです。
リノベーション・リフォームの段階で、リビングに十分な容量の壁面収納やパントリー、リビングクローゼットなどを計画しておきましょう。
また、コンセントの位置や配線計画もしっかりと考え、コード類が見えないように工夫するのも大切です。
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まとめ|理想の和モダンリビングを叶えるために。まずはリノベーションのプロに相談を
和モダンなリビングづくりを成功させるには、アースカラーの配色、低い家具選び、陰影のある照明計画、そして予算に合わせた間取り変更をバランスよく組み合わせることが大事です。
まずは、気になった事例を集めたり、モデルルームを見学したりして、好みのテイストを探ってみてください。 もちろん、その時点で全てを明確にする必要はありません。
「まだ理想がぼんやりしている」という段階でも、和モダンリノベの実績が豊富なプロなら、断片的なイメージを具体的な空間設計へと落とし込み、想像以上のカタチにしてくれます。
ぜひフルリノで信頼できるパートナーを見つけ、二人三脚で理想の住まいを実現させてください。
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